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機械設計2 機械部品としての銅・銅合金の特性と選定

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銅及び銅合金の特徴と選定
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機械部品としての銅・銅合金の特性と選定

アルミニウム同様、毎日必ずと言っていいほど、銅(Cu)関連の製品に触れていると思います。
実際に開発設計で使用する際はどのように選定をしていいのか、今回も特性と共に説明したいと思います。

化学的特性

銅は一般に広く使われていることもあり化学的特性も考慮した使い方も様々です。
ですが特徴があるため、ここではその化学的特性について機械部品に使用される材料と比較して話していきたいと思います。

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重さ

銅の比重は鉄の約120%、チタンの約200%、アルミニウムの約330%、カーボンファイバーの約460%です。
銅比重:8.8g/cm3 

重量の面ではこの中では一番重く、メリットはありません。

比重の順:
銅>鉄>チタン>銅>カーボンファイバー

重さは鉄より約120%重い

導電性・熱伝導性

通常環境下で高い導電性・熱伝導性を持ちます。
状態によって異なりますが、ご存知の通りとても高いです。
比較して説明していきます。

・導電性
銅の電気抵抗率はカーボンファイバーの約0.0003%、チタンの約4%、鉄の約18%、アルミニウムの約60%です。
銅電気抵抗率:16.8 nΩ·m

常温環境下で一般的に使われる金属の中で銅は銀の次に電気導電性が良いです。
そのため一般的な電気ケーブル、電線には銅が使用されます。

電気抵抗率の順:
カーボンファイバー>チタン>鉄>銅>銅

・熱伝導性
銅の熱伝導率はカーボンファイバーの約80%、アルミニウムの約170%、鉄の約500%、チタンの約1900%です。
熱を効率よく伝える製品の多くで銅が使われています。
銅の熱伝導率:400 W/(m·K)

熱伝導性の順:
カーボンファイバー>銅>銅>鉄>チタン

通常使用される金属の中で、最も電気導電性、熱伝導性が良い。

化学的性質

・腐食性
銅はイオン化傾向が金、銀についで低く比較的酸やアルカリに強いです。
空気中では表面に徐々に酸化銅の膜ができ内部が保護されるためそれ以上の腐食の進行がないです。

イオン化傾向の順
銅>チタン>鉄>銅

・磁性
銅は反磁性体で磁場をかけると、弱いですがその磁場に反発するようにその時だけ反対の磁性なります。
磁石をつけても、磁化されません。
そのため、計測機器等のセンサ周りによく使用されます。

耐腐食性が高い。磁性も無い。

機械的性質

銅は機械的性質を利用して機械部品になくてはならない存在です。
どのようなものなのか説明していきます。

強度

銅の強度は鉄より若干劣ります。
合金によっても異なりますが、銅の比強度は鉄と同様になります。
そのため、同じ体積で考えると重い銅の方が強度は弱くなります。

加工性

銅単体では非常に柔らかく加工性が悪いです。
銅合金にすることで銅の良さを生かしたまま加工性の改善していて用途は広いです。

熱伝導性が高い分、鉄よりも加工する際に反り・変形が起こりやすいです。
切削・切断・ダイスパンチでの絞り・研削・曲げ・溶接など加工においてほとんど可能です。

銅は鋳造が容易にできます。
融点も鉄より低いので鉄と同様に鋳造性が高いことが挙げられます。
ただし、熱膨張係数が少し高いので溶接等で歪みが起きやすいです。
また、熱伝導率が高いため局部加熱しにくいです。

加工性が高い、鋳造も比較的容易、ただし熱が必要な加工には注意も必要

価格

状況や合金によっても異なります、全てが当てはまるわけではありませんが以下になります。

重さ当たりの価格の順
カーボンファイバー>チタン>銅>アルミニウム>ステンレス>鉄 

銅は特徴より色々な分野で広く使われています。
そのためか他よりも比較的価格が高いです。

銅は比較的高価

その他

・抗菌性がある
銅は抗菌性があると言われています。
表面に生成される酸化膜や塩素化合物により、広範囲の微生物を不活化すると言われています。

・経年で色が変化する
長年空気中に銅を置くと表面に発生する酸化膜の影響により、時間とともに色が変化していきます。
10年程度で赤褐色→緑青色に変化します。
メリット・デメリットどちらにも捉えることができますが、銅は独特の色合いが出てきます。

・リサイクルが容易
銅はアルミニウムと同様にリサイクルが容易です。
銅単体として抽出することが容易なので、たくさんリサイクルされています。

・低温環境下にとても強い
銅は低温環境下でも脆化しません。
そのため、超伝導材料などにも使用されます。

しかし通常使われる銅及び銅合金では、使用最高温度が300度程度までとなっているため高温になる環境下では使わないようにしましょう。

リサイクルしやすい

結局どんな時に銅を選定?

・電気を体積あたりでたくさん通したい
常温環境下で一般的に使われる金属の中で銅は銀の次に電気導電性が良いため、電気のケーブル等によく使われます。
ただし、重さあたりで比較するとアルミニウムの方が電気を通します。
重さか体積かで考える必要があると思います。

・熱を効率よく伝えたい
銅は導電率同様に熱伝導率もとても良いです。
ヒートシンクや熱交換器などにもよく使われます。

・計測装置の部品に使いたい
銅は反磁性を持っていますが、磁石により磁化しません。
そのため、磁力に影響するような計測器の部品に適しています。

・低温環境下で維持できる材料を使いたい
銅は先ほども述べた通り、とても低温環境下で脆化しません。
そのため、低温でも強いです。
ただし、高温になるようなところには比較的弱いので使い方を注意しましょう。

など、他にもたくさんあります。

銅の用途は多岐にわたりこの限りではありません。
状況に応じて性質を考慮して色々試してみてください。
材料としては鉄、アルミニウムに次いで3番目に多く使用されています。
品質も安定しているため、置き換え設計も比較的容易に行えます。

用途は多岐にわたる。置き換えも容易

下記は銅の特徴の熱伝導率を使ったタンブラーです。
冷たいものが冷たく、さらに飲む直前に唇に感じる冷たさでより美味しく味わえます。
和平フレイズ ラウンドロックタンブラー 380ml 燕三 純銅 EM-9606

規格(合金)

銅合金は銅を主成分とする合金です。
銅合金はとても一般的で、例えば1円玉以外の流通している日本の硬貨は銅合金になります。

銅は軟らかい為、マンガン、すず、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどと合金にして、金属材料としての特性を向上させることができます。
銅合金は、アルミニウムと同様に大まかに圧延(展伸)法と鋳造法に大別でき、それぞれの用途別に材料規格となっています。

銅の規格で、銅記号、系統記号、形状記号、調質記号からなります。

・銅記号
 頭文字のCになります。
・合金系・合金番号
 合金の番号になります。合金の種類はこの番号の頭の数字により決まります。
・形状・製造条件記号
 P:板、円板
 PC:合せ板
 H:箔
 FD:型打鍛錬品
 FH:自由鍛錬品
 など
・調質記号
 F:製造のまま
 O:焼きなまし
 H:加工硬化
 など

圧延(展伸)法の合金

ここでは特によく使われる「圧延(展伸)法」の規格について説明します。
圧延(展伸)法の合金の中では、非熱処理合金と熱処理合金があります。

銅の延伸法では1000系-7000系まであります。マンガン、すず、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどと合金にして、金属材料としての特性を向上させます。

圧延法の銅合金は4桁の数字の国際銅合金名が使用されています。
市販されている板厚は0.3、0.8、1.0、2、3、4、5、6、8、10、12、15、16、18、20、22、25、30、35、40、45、50mmです。
他の板厚もありますが、これも考慮に入れると設計がしやすいです。

・1000系(純銅)
銅純度99.9%以上で電気伝導性、熱伝導性は良いですが強度が低くなります。

導電材やアルミ箔などにしようされ、構造物・機械部品としては適しません。

C1020:電気用電線の芯線

・2000系(Cu-Zn系合金)

銅と亜鉛の合金になります。
黄銅もしくは真鍮とも言い、銅合金の中で最も多く使われています。
加工性がよくて美しいため、用途が広く、金物にも多く使用されています。
加工などをしたこの合金を安置しておいただけで、加工時の残留応力が原因で割れが発生することがあります。
これは応力腐食割れの一種で、加工時に内部応力を考慮した設計にしましょう。

C2600:接続用端子
C2680:配線機器部品

・3000系(Cu-Pb系合金)
加工性をあげるために鉛を添加した銅合金になります。
快削黄銅とも呼ばれています。

C3560:時計の歯車等

・4000系(Cu-Zn-Sn系合金)

2000系(黄銅)に錫を加えたものになります。
そのため、黄銅よりも海水における腐食の耐性が高まりました。
他にも応力腐食割れにや摩耗に対しても耐性のある合金になります。

C4250:リレー、スイッチ
C4621:船舶用部品

・5000系(Cu-Sn系合金、Cu-Sn-P系合金)
錫とリンを加えたものになります。
リン青銅とも呼ばれ、強度が強く、ばね性に優れていることが挙げられます。
また、曲げ・絞りといった加工性が良いことや電気伝導率も高いことから様々なものに使われています。


C5191:配線機器部品など

・6000系(Cu-Al系合金、Cu-Si系合金)

C6161やC6191などの6000番台はアルミ青銅もしくは楽器弁用黄銅、高力黄銅

・7000系(Cu-Ni系合金、Cu-Ni-Zn系合金)
ニッケルを加えたものになり、白銅とも呼ばれます。
また、ニッケルにさらに亜鉛を加えたものを、洋白とも呼ばれます。
これらは色が白っぽくなるため、見た目から銀の代用として使用されたりします。

美しいために装飾品や食器などに使われたりしています。
また、強い耐食性、耐海水性を持ちます。

C7351:楽器

銅は合金により色や腐食性、導電性における特徴が異なる

鋳造法の合金

以下、鋳造法の合金規格になります。
特徴としては圧延(展伸)法の合金とほぼ同じなので名称のみ記載します。

名称に「CAC」が付く

CAC101: 純銅系

CAC201: Cu-Zn系
CAC301: Cu-Zn-Al系

CAC401: Cu-Sn系

CAC502A: Cu-Sn-P系

ACAC602: Cu-Sn-Pb系


CAC701: Cu-Al系
CAC801: Cu-Zn-Si系

CAC901: Cu-Sn-Bi系


様々な分野でとても多く銅は使われています。
今後ももっとより良い銅合金ができてくると思います。

銅製品は以下のように様々な加工品として使われています。

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