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イノベーター理論とキャズム理論

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言葉・用語集
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イノベーター理論とキャズム理論

ものづくりにおいてイノベーション(爆発的普及、またはその製品)とは、重要な言葉であり目標です。
実際にものづくりにおいて、イノベーションを起こすことができればものづくりの成功者と言えるのではないでしょうか?

今回はイノベーションを起こす上で指標となるべき理論を説明します。
1つは、イノベーター理論
もう1つは、キャズム理論です。

理論という言葉は、難しそうであまり好きではないのですが簡単に説明したいと思います。

イノベーター理論

まずは、イノベーター理論です。そもそも、イノベーター理論とは?

正規分布に沿って製品購入の際の対応で分類分けしたものです。
正規分布とは何ぞや?って人のために簡単に説明します。正規分布とは平均・中心からの分布(ばらつき方)を表したものです。ばらつき具合は正規分布のグラフの形に収束するだろうという確率論や統計論の説明に使う分布です。外乱がなければ実際にそのグラフの形に収束していくので驚きです。まあ、全てではないと思いますが、、、(グラフのX軸中心が平均になります)

さてこの場合はどのように使うかと言いますと、製品が世の中に出てから購入するまでの時間で分類分けします。みんなある製品を購入したと考えて購入までの時間の分布を表します。本来このように分布するのかは学者の人たちに任せて、この理論での分け方をみてみます。

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・(なんでも購入する人)イノベーター

 (全体の2.5%)
新製品が出るとなんでもすぐに買ってしまう人

・(初期購入者)アーリーアダプタ

 (全体の13.5%)
製品を調べ自らの価値観で製品の購入をする人。比較的社会の価値観と合っていて、製品購入の先導となり得る人たち。ピニオンリーダーとも呼ばれている。

・(追従購入者)アーリーマジョリティ

 (全体の34.0%)
新しいものには比較的慎重に考える人たち。でもアーリーアダプタの影響を受けて購入する人。

・(続追従購入者)レイトマジョリティ

 (全体の34.0%)
新しいものにはあまり関心がない人たち。大多数が購入しているから同じものを使ってみようという感覚で購入する人。

・(伝統化しないと買わない人)ラガード

 (全体の16%)
特に保守的な考えの人たち。新しいものには手を出さない人であり、長年続き製品として熟成して購入する。全くもって購入の意思のない人も含まれる。

image_innov1

このように分けることができます。ここで、なんでこんな分け方になるの?と思った人もいるので簡単に説明します。この理論には標準正規分布を使用しています。そうするとばらつき方が決まっている(標準偏差という単位はσ)のでどの程度ばらついているか・どの位置にいるか指標としてみれます。標準偏差の考え方では以下になります。(多分先ほど説明したパーセントの方がわかりやすいと思います。こんなのもあるんだな〜程度でお願いします。)

・イノベーター :(-2σ以下)
・アーリーアダプタ :(-2σ〜-1σ)
・アーリーマジョリティ:(-1σ〜0)
・レイトマジョリティ :(0〜1σ)
・ラガード : (1σ以上)

新製品が出るとこの順で市場に製品が知れ渡ります。大多数が製品を知り購入すれば「普及した」と言えます。
特に「(初期購入者)アーリーアダプタ」に受け入れられる(初期購入者の大多数に知れ渡る)ことができれば、大多数に知れ渡り「普及する」と言われています。
わかりやすく言うとある集団の中で16%以上に受け入れられれば、大多数に普及するということです。

この考え方(正規分布)にもある通り、イノベーションを起こす製品の場合で購入までの平均時間が少ない(レイトマジョリティに移るまでの時間が短い)場合は爆発的に普及してその製品は飽和してしまうとも考えられます。

イノベーター理論は製品普及の指標に使用できる。
16%以上に受け入れられれば、大多数に普及すると言われている

多くの企業がこの考え方を取り入れ、マネジメントとして利用しているのも事実ですが、簡単に16%以上であれば全体に普及するかというとそうではないよという理論が次に説明する「キャズム理論」です。

キャズム理論

キャズム理論とは?

キャズムとは「裂け目」らしいです。始めは提唱者の名前から来てたと思ってました。(キャズムさんの理論かと思っていました。)
と、いうことは「裂け目理論」だったんですね。

なにが裂け目かと言いますと、先ほど説明したイノベーター理論のアーリーアダプタとアーリーマジョリティの間(全体の16%を超える)に溝がある(容易に通過できない)という考え方です。通過できない場合は

要因としての考えは
アーリーアダプタは自己の興味・価値観を優先して製品購入、アーリーマジョリティは多数が使用している利便性で製品を購入するという意思が違うためであると言えます。

そのために、アーリーアダプタとアーリーマジョリティの人たちに対してのマネージメントアプローチを変える必要があるとも言えます。まず、アーリーアダプタに対しては真新しさ、社会が求めている高価値を提供します。アーリーマジョリティの場合は、普及していることのアピールと製品の安心・安定感を伝えていく必要があります。

ここからは勝手な考えなのですが、予測と実際の正規分布の形が同じだとします。もし現在販売している製品の購入され方の状態がアーリーアダプタとアーリーマジョリティの中間の位置(予測の-1σ位置)だと予想してたとします。でももし実際は正規分布の頂点の位置だとすると当初考えていた購入者数の平均値(中心の高さ)がかなり違ってきます。当たり前ですが、購入者総数でも同様にかなり違ってきます。

実際に現状の状態を正確に把握するのは至難の技だと思います。それがキャズム理論に繋がっているのかな?っと思ってます。
yosou

パラダイムシフトの考え方の「イノベーター」はこちらの記事になります。
 

爆発的製品の普及には、容易に通過できないポイント(普及率16%の壁)がある。
普及するためにはアプローチを変えていく必要もある。

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