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機械設計1 機械部品としてのアルミニウム合金の特性と選定

機械部品としてのアルミニウム合金の特性と選定

日常生活でも毎日必ずと言っていいほど、アルミ関連の製品に触れていると思います。
実際に開発設計で使用する際にどのように選定をしていいのか、特性と共に説明したいと思います。

化学的特性

アルミニウムは一般に広く使われていることもあり化学的特性も考慮した使い方も様々です。
ここでは、その化学的特性について機械部品に使用される材料と比較して話していきたいと思います。

重さ

アルミニウムの比重は銅の約30%、鉄の約35%、チタンの約60%、カーボンファイバーの約140%です。
アルミニウム比重:2.7g/cm3

高速回転部品を鉄からアルミに置き換えるとイナーシャ等も抑えられ効率がよくなります。
単純に重量を軽くしたい場合もよく使われます。

比重の順:
銅>鉄>チタン>アルミニウム>カーボンファイバー

重さは鉄と銅の約1/3

導電性・熱伝導性

通常環境下で高い導電性・熱伝導性を持ちます。
状態や合金によって異なりますが、おおよそで説明していきます。

・導電性
アルミニウムの電気抵抗率は銅の約170%、鉄の約30%、チタンの約7%、カーボンファイバーの約0.001%です。
アルミニウム電気抵抗率:28.2 nΩ·m

銅の方が電気導電性が良いですが、比重の関係のため重さあたりではアルミの方が電気導電性が良いです。
そのため高電圧になればなるほど、アルミが使われています

電気抵抗率の順:
カーボンファイバー>チタン>鉄>アルミニウム>銅

・熱伝導性
アルミニウムの熱伝導率は銅の約60%、鉄の約300%、チタンの約1000%、カーボンファイバーの約50%です。
熱を伝える製品の多くでアルミ製品が使われています。

熱伝導性の順:
カーボンファイバー>銅>アルミニウム>鉄>チタン

重さあたりでは銅より電気導電性が良い。熱伝導性も銅の次に良い。

化学的性質

・腐食性
アルミニウムはイオン化傾向が高く、酸やアルカリに侵され易い。
しかし、空気中では表面に酸化膜(アルマイト)ができ内部が保護されるため、一般的には耐食性が高いと言われています。

イオン化傾向の順
アルミニウム>チタン>鉄>銅

・磁性
アルミニウムは弱常磁性体ですが、ほぼ無いと考えていいです。
そのため、計測機器類にも多く取り入れられています。

空気中の耐食性が高い。磁性も無い。

機械的性質

アルミニウムは機械的性質を利用して機械部品になくてはならない存在です。
どのようなものなのか説明していきます。

強度

アルミニウムの強度は低いですが、アルミニウム合金は軽さ・加工性の良さを生かしたまま強度を改善していて用途は広いです。

応力がかかった時の変形に降伏現象(ひずみと応力との関係が比例しなくなり、応力を除去してもひずみが残る現象)を示しません。 
単位重さ当たりの比強度が大きく、引張り強さは大きくありません。

加工性

 アルミニウムは加工性が高いです。
切削・切断・ダイスパンチでの絞り・研削・曲げ・溶接など加工においてほとんど可能です。

アルミニウムは鋳造が容易にできます。
融点も鉄の半分程度なので鋳造性が高いことが挙げられます。

加工性が高い、鋳造も容易

価格

状況や合金によっても異なります、全てが当てはまるわけではありませんが以下になります。

重さ当たりの価格の順
カーボンファイバー>チタン>銅>アルミニウム>ステンレス>鉄 

比重の違いから体積当たりでは、アルミニウムよりもステンレスが高いです。

アルミニウムは比較的安価

その他

・電波反射性能が高い
アルミニウムは鏡面加工も得意です。
そのため、電磁波や可視光線を容易に反射します。

・毒性がない
アルミニウムは毒性がないと言われています。
食品の分野でも多く取り入れられています。

・リサイクルが容易
アルミニウムはリサイクルが容易です。
原料から作る際は大量の電気を使用しますが、リサイクルする際は少ない電力ですみます。

・粉末は可燃物
アルミニウムの粉末は粉塵爆発を起こす場合がある。
燃焼時の消火に水をかけると水素が発生して被害が大きくなるため、水をかけることは厳禁です。
消防法で危険物に指定されています。

毒性がなく、リサイクルしやすい

結局どんな時にアルミニウムを選定?

・軽くしたい
鉄やステンレス、チタンよりも軽いため単純に軽くしたい場合には、とても良いです。重さ当たりの比強度も高いため、軽量化の置き換え設計が可能です。

・なるべく安価で熱を伝えたい
熱伝導率は銅より劣りますが、価格としてのメリットは銅より勝るためヒートシンク等にもよく使われます。

・電気ケーブルを軽くしたい
重さ当たりの導電性は銅より良いです。
ただし、引っ張り等が弱いため固定でしか使用できません。

など、他にもたくさんあります。

アルミニウムの用途は多岐にわたりこの限りではありません。
状況に応じて性質を考慮して色々試してみてください。
材料としては一般化しており品質も安定しているため、置き換え設計も比較的容易に行えます。

ただし、弱いため接続時にネジ等を使用して留める際はヘリサートを使用したりして強度をもたせてください。
イオン化傾向が高いため、異種金属との接触部位には電位差が発生して電食により腐食が進みます。
微細な変化が関係する場所には、異種金属と使用しないもしくは油等で防止策を行なってください。

用途は多岐にわたる。置き換えも容易

下記は金属材料としてのアルミニウムについて詳しく載っています。
より詳しい内容を知りたい方は参考にしてください。
アルミニウム (現場で生かす金属材料シリーズ)

規格(合金)

アルミニウム合金はアルミニウムを主成分とする合金です。
アルミニウムは軽いという特徴の反面、軟らかい為、銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどと合金にして、金属材料としての特性を向上させることができます。
アルミニウム合金は、大まかに圧延(展伸)法と鋳造法に大別でき、それぞれの用途別に材料規格となっています。

規格記号は以下のようになります。
規格にはアルミニウム記号、合金系・合金番号、形状・製造条件記号、調質記号があります。
・アルミニウム記号
 頭文字のAになります。
・合金系・合金番号
 合金の番号になります。合金の種類はこの番号の頭の数字により決まります。
・形状・製造条件記号
 P:板、円板
 PC:合せ板
 H:箔
 TW:溶接管
 FD:型打鍛錬品
 FH:自由鍛錬品
 など
・調質記号
 F:製造のまま
 O:焼きなまし
 H:加工硬化
 W:液体化処理
 など

圧延(展伸)法の合金

ここでは特によく使われる「圧延(展伸)法」の規格について説明します。
圧延(展伸)法の合金の中では、非熱処理合金と熱処理合金があります。
圧延(展伸)法には非熱処理合金と熱処理合金があります

圧延法のアルミニウム合金は4桁の数字の国際アルミニウム合金名が使用されています。
市販されている板厚は0.8、1.0、1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、10、12、15、16、18、20、22、25、30、35、40、45、50mmです。
これも考慮に入れると設計がしやすいです。

・1000系(純アルミニウム)
アルミニウム純度99.00%以上
加工性、耐食性、電気伝導性、熱伝導性は良いですが強度が低いです。
導電材やアルミ箔などにしようされ、構造物・機械部品としては適しません。

・2000系(Al-Cu系合金)

ジュラルミン、超ジュラルミン等が有名。
鋼材に匹敵する高強度材。構造用や鍛造材として使用されるが銅を含み耐食性に劣ります。
溶接性も他に比べて劣ります。
切削加工等で使われます。


A2017:ジュラルミン
A2024:超ジュラルミン

加工により歪みが出る2000系よりも、強度が強く内部応力が小さい7000系が使われることが多いです。

・3000系(Al-Mn系合金)
Mnを添加で1000系の強度を上げたものの位置付けです。
A3003はMn添加で純アルミウムの加工性・耐食性を落さずに強度を少し増加させたものです。
A3004、 A3104は更に強度を高めています。

・4000系(Al-Si系合金)

熱膨張係数が低く、耐熱性・耐摩耗性が良好です。

鍛造などで加工していきます。
主にA4032、A4043があります。

・5000系(Al-Mg系合金)

耐食性や溶接性がよく、切削加工等でも使われます。
用途はとても多く、アルミニウム合金の中で最もバランスが取れた合金になります。

A5052:機械部品に最も多く使用されているアルミニウム合金です。

・6000系(Al-Mg-Si系合金)
強度、耐食性が良好で構造材に多用され、切削加工等で使われます。
主に
A6063、
A6061があります。

・7000系(Al-Zn-Mg系合金)

アルミニウム合金中で最高強度です。
切削性も良いが、やはり耐食性溶接性に難があります。 
切削加工等で使われます。


 A7N01,A7N01 :溶接構造用合金。比較的高い強度と溶接部の強度は常温放置で母材近くまで回復します。
A7075:超々ジュラルミン

構造物・機械部品に使われるのは2000系、5000系、4000系、6000系、7000系

鋳造法の合金

以下、鋳造法の合金規格になります。
特徴としては圧延(展伸)法の合金とほぼ同じなので名称のみ記載します。
砂型類鋳物用とダイカスト用に分類されます。

・砂型類鋳物用

名称に「AC」が付く

AC1C: Al-Cu系

AC2A: Al-Cu-Si系

AC3A: Al-Si系

AC4A: Al-Si-Mg系

AC4B: Al-Si-Cu系

AC4D: Al-Si-Cu-Mg系

AC5A: Al-Cu-Ni-Mg系

AC7A : Al-Mg系

AC8A: Al-Si-Cu-Ni-Mg系

AC9A: Al-Si-Cu-Mg系

・ダイカスト用

名称に「ADC」が付く

ADC1: Al-Si系

ADC3: Al-Si-Mg系

ADC5: Al-Mg系

ADC6: Al-Mg-Mn系

ADC10: Al-Si-Cu系

ADC14: Al-Si-Cu-Mg系

様々な分野でとても多くアルミニウムは使われています。
今後ももっとより良いアルミニウム合金ができてくると思います。

銅及び銅合金についての説明もしていますので見てみてください。

[参考]アルミニウムの生産

アルミニウムはボーキサイトを原料として電気分解によって作られる為、大量の電力を消費します。
対して、アルミニウム屑からリサイクルして地金とする場合は、融点が約600℃と低く電気炉での溶融も可能であり、設備コストやエネルギーが少なくて(新造のわずか3%)済む為、リサイクル率も高くなっています。

アルミニウム材の生産

アルミニウムは加工しやすい金属であり、鋳造、圧延、押出などの方法によって形状を変えることができます。また、溶接や接着にも適しており、様々な製品の製造において幅広く利用されています。

鋳造法

砂型鋳造法:鋳物砂で作った型にアルミ溶湯を流し込み、冷却凝固後に砂型を壊して製品を取り出す方法です。古くから利用されている鋳造法です。砂型は容易にでき、大きな製品も簡単に生産できます。
金型鋳造法:鋳鉄や耐熱合金で作られた鋳型を用います。アルミ溶湯の重力での鋳造の為、重力金型鋳造法とも呼ばれます。鋳物の表面が綺麗で、精度の良い鋳物ができます。
シェルモールド法:けい砂に熱硬化性樹脂を混ぜて、鋳物砂とし、焼き付けた薄いシェルを鋳型としたものになります。金型鋳造と同程度の精度が得られます。
ダイカスト法:大型の物は少ないが、大量生産に向いている方法です。耐熱鋼で作る複雑な形状の金型にアルミ溶湯を高速高圧で注入します。

圧延(展伸)法

圧延加工法:最も重要な展伸加工法で主に板材の製造方法。鋳造組織を破壊し、均一で優れた性質に変えることができます。
押出加工法:最も重要な展伸加工法でアルミニウムやアルミニウム合金を400~500℃の熱間でダイス穴より押出す加工法。中空品や複雑な断面形状を連 続して、一回の工程で容易に作ることができます。また精度の厳しいものでも可能です。
引抜加工法:素材を加熱しない室温でダイス穴より引抜く、冷間加工法。素材は押出しと同じです。一般的に押出しよりも、細くて寸法精度の良い、表面の綺麗なものを作ることができます。主として管や棒が作られ、引抜き材と呼ばれます。
鍛造法:鍛造も圧延に含まれます。素材を油圧または水圧プレス・ハンマーなどで鍛錬し、粘り強さを与えながら成形していく方法です。自由鍛造と型を用いる型鍛造に分けられます。

[参考]アルミニウムの設計における考え方

アルミニウムは設計においても重要な役割を果たしています。その軽量性や柔軟性から、携帯電話やタブレット端末、家電製品などのデザインに活用されています。また、熱伝導性が高いため、冷却要素としても利用されることがあります。

表面処理

内側のアルミニウムを保護する目的で、アルマイトで知られる陽極酸化皮膜処理ができます。大気中で酸素と結合し、自然に表面に酸化アルミニウム皮膜を生成します。自然生成の皮膜は薄い為、人工的に厚くて強固な皮膜を作る電機化学表面処理をする必要があります。

軽量化

アルミニウムは鉄の約35%の比重のため、金属を用いたいが比較的安価で軽くしたい場所へ用いられます。

放熱・吸熱

アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍のため、熱を放出したい・吸収したい場所に用いられます。

加工性

アルミニウムの板は簡単に折り曲げたり、円筒状にすることが可能です。簡単な手曲げから、プレス、ロールベンダなどの機械曲げまでさまざまな方法があります。

絞り性

アルミニウムの優れた展伸性を生かした加工方法で、深絞り加工、へら絞り加工などがあります。飲料用アルミ缶などはこの方法で作られます。

切断・切削性

機械的に切断するには、シャー、丸のこ、ジグソーなどを使用します。薄板を効率よく切断するには。プラズマアークやティグアーク、レーザビーム、などによる溶断やウォータジェットがあります。エンドミル、カッター、バイト、ドリルなどの機械工具で削るフライス盤、旋盤、マシニングセンタ等一般同様の工作機械が使用できます。但し、適した切削条件が必要であり、切削用材を使用するべきです。

研削性

鏡面研削加工により、鏡に様な高い反射性を得ることができます。磁気ディスクや複写機用感光ドラムなどの製品があります。

電気的加工性

一般の金属・鋼と同様に、放電加工機やワイヤカット放電加工機の様な、電気的加工も可能です。加工条件は一般加工との違いがでます。特に電極側は消耗が激しくなるので注意が必要です。

下記はアルミニウムについて詳しく載っています。
また、材料としての今後も載ってますので参考としてみてください。

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マネジメント用語

マネジメント6 魅了するプレゼンme-we-now話法

魅了するプレゼンme-we-now話法

たくさん人に入る前で堂々として、聴いている人たちが見入るような話をしたいですよね。
いきなり上手な話し方というのはできないと思いますが、ここではその話法を取り上げて話をしていきたいと思います。

オバマさんも大統領選挙の際に使用していた話し方で、実際に大衆の前に立って演説している方の中には自然にこれらをやっている人もいます。
me-we-now話法(self-us-now話法)だけでなく、その他の大衆を魅了し説得する話し方と環境づくりも後半で説明していきたいと思います。

社会人として以下のような方にオススメです。

・会社の社長なのに人前で話すのは苦手な人
・たくさんの重役の前でプレゼンテーションをする人
・営業で製品をアピールしたい人
・強力なリーダーシップをとりたいチームリーダー
など

me-we-now話法

人を魅了し説得するme-we-now話法があります。
これはself-us-now話法とも呼ばれて好印象や相手を説得・興味を持ってもらう時の話法になります。

me:自分の事、生い立ちや弱み

自分自身のことを話し親近感を持ってもらう
表面的な話ではなく、プライベートな話をしてweとnowにつながる内容にしましょう。

相手の知らないプライベートを伝えることで、聴いている人は「他人」というカテゴリを外して「友人」に近い存在として思ってしまいます。
特に、プライベートを重視している人は「私なら他人に話さないのに」というような内容を聞いてしまうと、そのように感じてしまう傾向が強いです。

プライベートな話をしてweとnowにつながる内容にする

we:相手と自分の共通点、同じ視点の内容

共通点、同じ視点の内容を話し共感を持ってもらう
話したい内容を一方的に話すのではなく、聴いている相手も考えさせるようにしましょう。

ここでの内容が重要です。
次のnowにつながる相手と自分の共通の問題点等にして訴える内容にします。
みんなに対して共感する内容を与えないと自分のこととして考えてもらえませんので注意しましょう。

聴いている相手も同じ考えを持たせる内容にする

now:伝えたい事、訴えたい事

聴いている人は伝える内容・訴え内容を知る必要があると思わせる
共感してもらった後に、今しなければならないことすべきことを伝えていきます。

同じような内容を何回か話す機会がある場合、伝えたいこと・訴えたいことの方向性は変えれません。
伝えたいこと・訴えたいことの方向性が変わる場合には、それについて話さないようにしましょう。

weでの問題点に対し今、または今からしなければならないことを内容にする

使い方の例(me-we-now話法)

me-we-now話法(self-us-now話法)を使用した場合

me-we-now話法(self-us-now話法)だと次のようになります。

※会社の重役たちの前でのプレゼンテーション
企画者「私は、入社前からこの分野でシェアNo1だった弊社のZZZ製品を使っていました。」
企画者「当時のZZZ製品の魅力があったからこそ、今の私はここにいます。」
企画者「弊社はこの分野は得意分野でしたが、5年ほど前からシェアNo1から転落し売り上げが右肩下がりに落ちています。」
企画者「技術や能力は十分あるのはご存知の通りです。少し予算を回してもらうだけでいいんです。」
企画者「ほんの少しの努力で、あの頃を取り戻せるのです。もう一度、あの頃の成功を取り戻しましょう!!」
企画者「今こそXXXの製品開発を行なっていかなければ、この分野では立ち直れません!!」

ここで今の話し方を砕いて説明します。
me:自分の事、生い立ちや弱み
→「当時のZZZ製品の魅力があったからこそ、今の私はここにいます。」
ここでは「ZZZ製品の魅力」→「今の私」につながる内容になります。
具体的に事例等を挙げてよりプライベートの内容が親近感を抱きます。

we:相手と自分の共通点、同じ視点の内容
→「技術や能力は十分あるのはご存知の通りです。少し予算を回してもらうだけでいいんです。」
ここでは「技術や能力は十分ある」「予算を組んでいないだけ」と重役が承知している内容を話すことが前提になります。

→「ほんの少しの努力で、あの頃を取り戻せるのです」
ここでは重役たちが持ったであろう成功体験を考えさせる内容になります。

now:伝えたい事、訴えたい事
→「今こそXXXの製品開発を行なっていかなければ、この分野では立ち直れません!!」
最後に言いたい内容を言います。
「XXXの製品開発」が言いたかった内容になります。

me-we-nowの手順で話すことで親近感と共感を持ってもらえ、聴き手に話が伝わる

メリットとデメリット

簡単にメリットとデメリットをまとめてみました。

メリット

・聴いている人は自分自身のことのように考えてくれる
・聴いている人は親近感を持つ

デメリット

・事前に共感する内容を把握しなければならない
・話し方がぎこちなくなってはいけない(練習が必要)
・伝えることの方向性を変えることができない

me-we-now話法だけでなく、次に説明する内容についてこちらも具体的に説明している本になります。
よければ参考にしてみてください。
ヒトラーの大衆扇動術

その他の大衆を魅了し説得する話し方と環境づくり

歴史の中で大衆を魅了し説得する話し方が上手で人心掌握術を使った最悪の独裁者がいます。
ご存知の通り「ヒトラー」です。良い方に使えば素晴らしいことでしたが、最悪な方に使ってしまいました。

ドイツの方々はどうして当時ヒトラーに賛同していってしまったのでしょうか?
大衆を魅了し説得する話し方と行動として説明していきたいと思います。

これから説明する内容は先ほどのme-we-now話法と重なる部分が少なからずあります。
また、使い方・使い道を間違えないように気をつけてください。

話し方

これから話す話し方をすることで、説得力を増します。
聴く相手に考えを強く定着させ、「その考えもありなのでは?」と思わせることができます。

・シンプルなフレーズを何回も使う
シンプルなフレーズは耳に残りやすいです。
特に説得する内容のキャッチコピーとも呼べるものがベストです。
何度も使用する事で、聴いてる人からは「話し手の外せない内容」がしっかり伝わります。

・間をうまく使う
あとで話す「環境づくり」の中の「特別な空間、盛大なものと思わせる」こととも関連します。
話し始める時に聴く人たちがざわついていたら、静まり返るまでじっと待つことや、場面が変わる・話の核心をつく前に間を開けて特別感を演出します。
話す人が目の前にいるのに「じっと黙る」という不自然な状態が、聴く人の「なんだろう」と考えを持たせます。

・共通の敵、問題点を提示、それに対して怒りを表現し共感を得る
人の感情は反発に対して強くなる傾向があります。
そのため、何か強い不満を持っている人に対してはその不満を示すことで共感してもらえます。
さらにその不満に対して「怒り」を人前で表現することは、不満を持っている人にしてみれば代弁者が現れたといっても過言ではありません。
そうなれば、その時点で不満を持っている人のリーダーになれます。

・オーバーリアクションする
「怒り」と同じように、感情を出しているように見せるのが重要になります。
そのため、身振り手振りを使いオーバーリアクションと思われるぐらいにします。

・演技練習やリハーサルを怠らない
これを行う事で、不安をなくすというのが一番強いかもしれません。
次に自分自身が自分の言葉ではなく役になりきった言葉で話している演技と言い聞かせることができるからです。
さらに不安がなければ、感情表現や身振り手振りなどもコントロールできるため聴いている人の状況に対応することが可能になります。

・全員の共感を得られなかったとしても、押し通す
「この人は、こんな事でここまで怒っているんだ。」と当初思っている人でも、「この事は重要であり、その考えを持たないといけない。」に変わっていきます。

・プライドを持ち上げる
誰しもプライドが少なからずあります。
プライドが傷ついた人たちにはプライドを持ち上げることで、味方に引き入れることができます。
そうでない人に対しても、その人のプライドを傷つけるようなことを絶対に言ってはいけません。

環境づくり

人を説得する環境作りもとても重要になります。
個人ではできないことも、集団ならその状況を作り出す事により説得力を増します。

・人の判断の鈍くなる時間帯
聴いている人たちの考え方を変えさせる方法として、その人たちの判断が鈍る時間帯で話をします。
人の意志力には限りがあると言われています。使えば消耗し、寝れば回復します。
そのため、一般の人たちは午後以降の時間帯は意志力がある程度消耗しています。
その人たちが持っている譲れない部分や判断する部分が鈍くなります。

・サクラを使う
聴く熱狂的な集団が周りにいれば、話す人も話しやすいです。
そうでない人たちも熱狂的な集団が周りにいれば「なぜそんなに熱狂的なの?」と興味を持ってしまいます。
そうでない人たちも聞き耳を立てて聴き始めます。

・特別な空間、盛大なものと思わせる
ライブやコンサートなど1つのものに向けられる熱には伝染性があります。
考え方が違う人でもその集団に内に入ってしまえば、集団催眠のように考えも圧倒されてしまいます。
ライブやコンサートのような照明など演出も場合によっては必要です。

・服装などで連帯感を高める
例えば、ライブの帰りにライブ会場からかなり離れた場所で、そのライブグッズを持っている人を見かけたとします。
全くの他人ですが、多少なりとも親近感を抱くと思います。
同様に他にも特別な仕草やサインを使用しても、そのように感じます。

私は説明をしてますが、これらをできません。
やはり日々の努力、読心術がとても重要だと思います。
人と接することなのでマニュアル通りにすれば全て上手くいくということはないと思います。

色々試してみて自分にあった方法に変更して使ってみてください。

me-we-now話法を含め大衆を魅了し説得する話し方と環境づくりを話しました。
以下は具体的にこれらを説明している本になります。よければ参考にしてみてください。

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開発の流れ

開発の流れ〜システムの開発プロセスと工程の流れ〜

開発の流れ〜システムの開発プロセスと工程の流れ〜

製品開発等をする上で、どのような流れ(フェーズ)に沿っていくか一般的な例で説明していきたいと思います。
開発行為はとてもリソースが必要になります。詳しくは開発設計する前にをみてください。
これから説明する内容はソフトウエア面、ハードウエア面の両方で使える開発プロセスです。

まず、なぜ開発行為に流れがあるのかと言いますと「効率化を図る」ためです。リソースをできる限り抑えながら最良のものを作成するに越した事はありません。これから説明していくのはその一般的な例になります。実際にそのように開発を進めなくても簡単にできてしまう内容や、開発の規模や開発品目によってはもっと良い方法もあると思います。それは各々の開発の中で見極めていってください。

開発概要

個人レベルで開発する内容や小規模・短期間の開発では段階を踏んで開発プロセスを進む必要はありません。
先ほども言いましたように、リソースをできる限り抑えつつ方向性を間違わないやり方として開発プロセスがあります。

開発の方法としても、開発当初から開発完了まで全く問題がなければ開発プロセスなども色々なものが出てきません。
この限りではありませんが、開発していく中で以下のような部分が出てきてしまうため、設計自体を検討する機会が必要になります。

・形にしてみないとわからない部分
・テスト・評価してみないとわからない部分
・実際に使用してみないとわからない部分
・評価した後に原理的に実現できない部分
・顧客の要望が変化した部分

開発プロセスの前に

PDCAサイクル

PDCAサイクルはより良くしていくことでは非常に重要になる内容です。
PDCAループ PDCA Plan:計画を組み、Do:実行をする、Check:評価をしてAct/Action:フィードバックを行う

管理業務を円滑に進める手法の一つですが、個人レベルの進め方でも使えます。
以下の1から4を繰り返し行い改善・改良をしてスパイラルアップしていくサイクルです。

これらをすることで、やってきた内容を次にフィードバックすることができるため改善・改良に非常に役に立ちます。
回数を重ねることでより良くなっていきます。

1.Plan(計画・設計)
2.Do(実施・実行)
3.Check(点検・評価)
4.Act/Action(処置・改善)

開発の流れを説明していきますが、ループになっている部分は全てPDCAサイクルになっていると言っても過言ではありません。
開発においてこのサイクルはどの点においても使用でき効果を発揮します。
きちんと計画を立てて、実行し、見直しをして、改善をしていきましょう。

PDCAサイクルは開発だけでなく、より良くしていくためには非常に重要なサイクル

DR(デザインレビュー)

何回か言っていますが、開発行為はとてもリソース(人、モノ、金、時間)を非常に使います。間違った方向に突き進んでしまうととても疲弊してしまいます。そのために、一度立ち止まって方向が合っているか確認する必要があります。それをDR(デザインレビュー)と呼びます。
集団的知性を働かせて個人や特定グループでは見つけられなかった点を見つけていきます。

開発の振返りのしにくいウォータフォールモデル開発では、多用されます。
ですが、アジャイル型開発でも全体把握する時や開発メンバー以外を集めて開発方向の検討をすることもあります。
確認する上では、重要なポイントとなるのでなるべく機会を持ちましょう。

・DR(デザインレビュー)とは
各開発のポイント(開発プロセスの次の工程にいく前)で基準を満たしているか、方向性が間違っていないかを企画、開発、設計、製造、品質、購買が一堂に集まって次のステップに進んで良いか決めることです。

開催のタイミングは各開発の区切り(次のステップ前)がほとんどですが、重要度に応じて開催を飛ばしたりしているところもあります。

・DRで決定する内容
そのプロセスで行ってきた内容はポイントでの基準をみたしているか?
残課題は極力潰しているか?
方向性、目的が間違っていないか?

特に残課題は後回しにすると次のプロセスで修正する労力は倍になります。
極力、自工程完結で進めていきましょう。

・DRを進める上でのポイント
DRを進めるポイントと言いましたが、どんな会議でもポイントは同じです。
会議というのはとても会社として費用がかかります。(人数分の工数が会議時間分、必要なため)

どんな会議でも7人以上になると、1人増える毎に会議の決定率10%低下するという論文もあります。
決定率も下がりますが、参加者の責任感も落ちます。
発言しない者がいるということは異常です。
何かしらの考えを話してその中での最善策・妥協点を見出して行かないといけません。

また、複数の部署のスペシャリストを集めます。
開発を進めていく上で問題がないか、前と変化した点で参加部署の関係項目に問題がないかを再確認します。

・決定者、責任者を決めて会議中に即判定を下す。
・事前に内容を理解する、事前に問題点を挙げておく。
・なるべく10人以上集まらない(事前資料で問題点を挙げておく)する必要があります。
・複数部署を集めて行う

・資料の上でのポイント
資料が多くなりがちですが、必要最低限の資料づくりを心がける必要があります。
多すぎても理解できないし、情報を正確に伝えることが資料の目的です。
また、次に進んで良いか判断する場所ですので嘘の資料で固めてしまうと会社に大損害を与える可能性があります。
その辺を注意して資料を作り、発表してください。

・資料内容に嘘をつかない
・発言者が考える懸念点、問題点の提示

問題点発言・提案でのポイント
揚げ足をとるような発言をしたりする人(人は欠点を見てとるのが得意)が必然的に多くなりがちですが、なるべく短時間で建設的な話し合いをするように第一声は肯定的なことを心がけましょう。
詳しくはDESC話法をお読みください。

DRは重要なポイントです。
開催自体の必要性を出席者一人一人がしっかり持って望まないと、決定方向と会社の進むべき道が違ってきます。

DR(デザインレビュー)は一度立ち止まって本当に必要な開発か見直すポイント

こちらも開発プロセスを詳しく書いてあります。
よかったら参考にしてみてください。
本当に使える開発プロセス

開発の手法

開発の手法として3種類の開発プロセスを説明します。
一概にこれがいいとは言えず、それぞれ特徴があります。

最近はテストプロセスをとても重視し、手直しを極力避ける方向にあります。
そのため、ウォーターフォールモデルよりもアジャイル型が良いとされてきました。
ですが、ウォーターフォールモデルにテストプロセスを取り入れたV、W字モデル開発も頻繁に行われてきています。

・ウォーターフォールモデル開発(V字モデル開発)(W字モデル開発)

「要求定義」「概要設計」「詳細設計」「開発」「テスト・評価」などの作業工程にトップダウンで分割します。
特定の顧客がいない場合や顧客のやりとりは最初のみの場合がほとんどです。
ウォーターフォールモデル「要求定義」「概要設計」「詳細設計」「開発」「テスト・評価」などの作業工程にトップダウンで分割します。 特定の顧客がいない場合や顧客のやりとりは最初のみの場合がほとんどです。

段階を踏んでの開発の流れは管理上とてもやりやすいので、昔から使われてきた開発の流れになります。
リソースや期間も仕様変更がなければ、概算で予想がつきます。

・V字モデル開発
V字モデル開発、W字モデル開発はウォーターフォールモデル開発の変化形になります。
これらは開発プロセスですが、厳密に言いますとテストプロセスを組み込んで出戻りを少なくしようとするものです。
それを説明していきます。

「要求定義」「概要設計」「詳細設計」「実装」「テスト・評価」との流れでした。
ここでの「テスト・評価」をより具体的に上位工程の対になるような「テスト・評価」を行っていくことです。
流れとして小さなテストから大枠に移るように「テスト・評価」を行なっていく形が、開発プロセスの逆行しているように見えるためVモデルまたはV字モデルと呼ばれます。

ここでの開発の流れとしては
「要求定義」→「概要設計」→「詳細設計」→「実装」→「単体テスト」→「統合テスト」→「システムテスト」→「受入れテスト」
のような形になります。(項目は開発により変化します)
Vモデル開発 流れとして小さなテストから大枠に移るように「テスト・評価」を行なっていく形が、開発プロセスの逆行しているように見える、VモデルまたはV字モデルと呼ばれます。

これが範囲の大小で並び替えると以下のようにV字型になります。
また、それぞれの実装までの検討内容の動作確認を各テストプロセスで行うため、ほぼ対になります。
Vモデル2 項目の影響範囲を大小で分けると、テストプロセる部分では徐々に大きい範囲に向かいVの形になる

・W字モデル開発
先ほども言いましたが、W字モデル開発はウォーターフォールモデル開発の変化形になります。
V型と違い更にテストプロセスが細かく分かれています。

理由としてはV字モデルでは実装及び実装以前の検討内容に誤りがあった場合でも、実質の確認はかなり後になってしまうため出戻りがとても大変になります。
工数もとてもかかってしまうため事前にそれらを潰していこうとする考え方で行う開発・テストプロセスです。

先ほどまでのV字モデル開発の流れの例としては
「要求定義」→「概要設計」→「詳細設計」→「実装」→「単体テスト」→「統合テスト」→「システムテスト」→「受入れテスト」
でした。

W字モデル開発の流れの例としては
「要求定義」⇆「要求テスト」→「概要設計」⇆「設計テスト」→「詳細設計」⇆「詳細テスト」→「単体実装」⇆「単体テスト」→「統合実装」⇆「統合テスト」→「システム統合」⇆「システムテスト」→「導入」⇆「受入れテスト」
のような形で検討内容及び実装の範囲でテストを入れる形になります。(項目は開発により変化します)

W字モデル開発の流れとしては 「要求定義」⇆「要求テスト」→「概要設計」⇆「設計テスト」→「詳細設計」⇆「詳細テスト」→「単体実装」⇆「単体テスト」→「統合実装」⇆「統合テスト」→「システム統合」⇆「システムテスト」→「導入」⇆「受入れテスト」

繰り返しになっている部分はPDCAサイクルで回ってフィードバックをします。
それにより精度を高めていきます。

V字モデルと同様に範囲の大小で並び替えると以下のようにW字型になります。
また、それぞれの実装までの検討内容の動作確認を各テストプロセスで行うため、ほぼ対になります。
V字モデルと同様に範囲の大小で並び替えると以下のようにW字型になります。 また、それぞれの実装までの検討内容の動作確認を各テストプロセスで行うため、ほぼ対になります。

メリット

・工程の終了がはっきりするため、成果物が管理しやすい
・管理面から言うと管理しやすいモデル
・顧客要求と開発機能が初期段階で明確になる
・当初の要求仕様通りに製品が出来上がる
・工程ごとに専門家が分かれているため、工程内の品質に差が出にくい

デメリット

・各上位の工程で間違いがない事が大前提
・各上位の工程で間違いがあると問題が徐々に大きくなる
・リソースを多く必要になりがち
・顧客要求が変更になった際に対応しにくい 
・開発完了まで製品がリリースできない

製品が設計図から一気に具現化する形

・スパイラルモデル開発

トップダウン設計とボトムアップ設計の長所を生かした開発工程のモデルです。
設計とプロトタイピングを繰り返して開発していく手法です。
ただしアジャイル型と違い全体機能を網羅しつつ現在の全体でPDCAを回して開発していきます。
顧客とのやりとりは概要から徐々に明確になるように密接に行うことが多いです。
1回のループ期間は6ヶ月から2年程度であることが比較的多いです。

ここでのスパイラルモデル開発の流れの例としては
「要素設計」→「試作設計」→「量産試作設計」→「量産設計」
のような形になります。それぞれの中でサイクルを回していきます。(項目は開発により変化します)
トップダウン設計とボトムアップ設計の長所を生かした開発工程のモデルです。 設計とプロトタイピングを繰り返して開発していく手法です。

メリット

・プログラムの規模やスケジュールなどの予測がしやすい。
・顧客の要求仕様の変更などに対応しやすい。
・設計工程が伸びて実装に費やせる期間が短くなるということが起きにくい。
・アジャイルモデルよりも比較的大きな規模では管理しやすい。

デメリット

・機能に対する品質が曖昧になりがち 
・開発完了まで製品がリリースできない

製品がぼやけていたものから徐々に具現化する形

・アジャイル型開発

迅速に適応するようにソフトウェア開発を行う開発手法群の総称です。
ですが、ソフトウエアだけでなくハードウエアでもかなり有効です。
イテレーションと呼ばれる短い期間で細かな機能・部位に分けてPDCA(設計→試験→調査→改善)を回すことで、リスクを最小化しようとします。
1つの反復の期間は、1週間から1ヶ月くらいであることが比較的多いです。

ここでのアジャイル型開発の流れの例としては
「機能/部位」→「機能/部位」→「機能/部位」→「機能/部位」
のような形になります。それぞれの中でサイクルを回していきます。(項目は開発により変化します)
その中で顧客とのやりとりは、機能・部位ごとにかなり密接に行うことが多いです。
組合せを行う際はリグレッションテスト(回帰テスト:使えていた機能が使えなくなるバグを確認)をしなければなりません。

以下は複数同時に並列に行いながらアジャイル型開発の流れになります。
単体の場合はこの図の1つのラインになります。

イテレーションと呼ばれる短い期間で細かな機能・部位に分けてPDCA(設計→試験→調査→改善)を回すことで、リスクを最小化しようとします。  1つの反復の期間は、1週間から1ヶ月くらいであることが比較的多いです

メリット

・不具合等の出戻り工数が減らせる
・製品の機能に対する品質が保てる
・顧客の要望か通り製品になりやすい
・仕様変更から修正までが対応が早い
・納期に合わせて機能を制限しつつリリースできる

デメリット

・進捗がわかりにくく全体管理がしにくい
・個々で仕様変更時の対応力が求められる
・顧客も含めて製品に最大限にしようとする意識が求められる
・コミュニケーションを密に取らないと対応ができない
・試験(テスト)方法がいい加減だと、品質が保てない
・組み合わせのたびにリグレッションテストをしないといけない
・当初の要求仕様と異なることが多い
・大きな規模になると機能ごとにチームが分かれる。
 そのため、工程単位の専門家が分散するため、各工程の品質に差ができやすい。

製品が徐々に機能追加・部位追加していく形

開発の手法でどれを使えばいいの?

下記に説明する限りではありません。
所詮開発プロセスなので自社の強み、優先事項等を考慮すると、ここに記載した内容と全く異なることもあります。

・顧客の要求からの機能を制限できる場合
(納期・コスト優先、ただし導入した機能に対しての品質を求められる場合)
 →アジャイル型開発

・顧客の要求から納期・コストを制限できる場合
(導入機能優先、納期とコストは当初の見積もりと差が出やすい)
 →スパイラルモデル開発

・自社開発で自社の技術を高めたい、新製品を出したい場合
(リソースが多い、開発規模が大きい場合、管理をしっかりしたい場合、特定の顧客がない場合)
 →ウォーターフォールモデル開発(V字、W字モデル含む)

開発プロセスは所詮開発の流れの一例になります。
それぞれに特徴があるため、それに合わせた開発方法や自社の開発方法の強みを最大限活かせるように開発プロセスも踏んでいきましょう。

開発プロセスは所詮開発の流れの一例。自社の強みの開発方法を見つけていくのが一番良い

こちらも開発プロセスの参考になります。

カテゴリー
制御設計

制御設計2 シーケンス制御とラダープログラムの基礎と工夫

ファクトリーオートメーション(FA)のシーケンス制御とラダー回路の基礎と工夫

ファクトリーオートメーション(FA:生産工場)の設備の多くはシーケンス制御を使用しています。その制御を行う制御装置をPLC(プログラマブルロジックコントローラ:通称シーケンサ)と呼ばれるものを使用しており、それらはラダー回路(一部言語記述もある)で記述するものが多いです。シーケンス制御とラダー回路について説明していきたいと思います。

シーケンス制御とは?

シーケンス制御とはシーケンス動作をするための制御で、「決められた順序・やりとりで制御の各段階を踏んで進めていく制御」のことです。
「決められた一連の動きを忠実に守ってひたすら動く制御」で生産工場で非常に使われています。
また、生産工場ではその生産特有の設備・動きをしなければならず、制御の仕様変更や汎用性が求められることが多いため比較的記述しやすいラダー回路で記述するタイプのPLCが多いです。

ラダー回路とは?

先ほども述べましたが、ファクトリーオートメーション(FA)では仕様変更や汎用性が求められることが多いです。
そんな中、ラダー回路はビジュアル的にプログラムをできるようにしたビジュアルプログラムの一種です。

例としては以下のような絵を組み合わせて回路を作りシーケンス動作にしていきます。
ただし、このビジュアルも細かな設定や機能はPLCメーカーにより異なります。
・a接点(ONで回路通過)
a接点
・b接点(OFFで回路通過)
b接点
・立ち上がりパルス接点(ONした1周期のみ通過)
立ち上がりパルス
・コイル(回路が繋がるとON)
コイル
・NOTコイル(回路が繋がるとOFF、回路が繋がっていないとON)
NOTコイル

ラダー回路作成前に

ラダー回路を作成する上で注意してもらいたいことがいくつかあり、それを踏まえることでラダー回路を記述する上でのメリットがたくさん出でくるので説明していきます。

入力と出力

PLCは基本的に外部へのやり取りとして入力と出力がリレーとしてシーケンス制御されます。
そのため、PLCにはそれぞれハード的な接続先があります。

・入力:センサ、スイッチ、エンコーダーなど
・出力:バルブ、ランプ、モーターなど

ラダー回路内では入力・出力をラダー回路名で使用していきます。
この記事の中では
入力:R2000, R2001
出力:R50000, R50001
としていきます。
それ以外にMR001等を使用していますが、内部のスイッチ(PLC内の制御)です。

これらはPLCのメーカー、ラダー回路のソフトウエアによって違ってきます。
入力・出力の挙動は直接動作の制御に関係していきます。

プログラムを作っていく基本ですが、外部とのやりとり部分は極力少なく、シンプルを心がけてください。
分かりやすくなり、ヒューマンエラーも低減できます。

ラダー回路内の入力・出力の使い方は極力シンプルに

ラダー回路の動作の流れ

PLCや作成ソフトウエアによりますが、最近の傾向としてラダー回路を記述するプログラム図面を複数持てるものが多くなってきています。
設定によりその順序を変えることができますが、その順序によりプログラムを実行していきます。また、プログラム図面内も上から順にラダー回路を実行していきます。

以下はプログラム図面の例です。
プログラム順
 ・Input :外部入力から受け取り処理のプログラム
 ・Input_work :入力からの変換のプログラム
 ・Main_Routine :主の制御プログラム
 ・Exception_Routine :例外処理プログラム
 ・Output_work :出力への変換プログラム
 ・Output :外部出力への処理プログラム
としました。
この場合上から順に
「入力」→「入力処理」→「主制御」→「例外制御」→「出力処理」→「出力」
となっています。

入力から制御を経由して出力に流れているため、入力があったらすぐに処理を行い出力まで出ます。(1周期内で処理が終了する)
この順番が曖昧だと、制御から出力まで数周期に渡ってしまい出力までに時間がかかってきます。
(周期はPLCやプログラム量により異なります。1周期:数μs〜数十ms程度)

「出力処理」→「出力」→「主制御」→「例外制御」→「入力」→「入力処理」の順の場合、
入力があったら
「入力」→「入力処理」<次の周期待ち>「主制御」→「例外制御」<次の周期待ち>「出力処理」→「出力」
になってしまいます。

プログラム図面に記述するラダー回路はそのプログラムの上から下に向かって実行していきます。
(一番下まで実行が終わったら、次のプログラム図面の一番上から実行していきます)

そのためラダー回路記述順も同様に「入力」→「制御」→「出力」というように上から記述しましょう。
以下はプログラム図面であり、ラダー回路を記述するスペース
プログラム図面内

また、プログラム図面単位でスキャン周期(プログラム実行周期)を分けることもできることもできます。
分けることで、制御装置の負荷を下げスキャン周期を早くできる等があります。
メーカーによって異なるため、制御装置の取扱説明書で確認してください。

プログラム順、プログラム周期を考えて設定・記述することで周期遅れ等を防止できる

基本的なラダー回路

ラダー回路の基本的な使い方を説明していきます。

AND回路とOR回路(直列回路、並列回路)

基本中の基本の回路になります。

・AND回路(直列回路とも言われる)
 横並びにa接点つなげてコイルに渡します。
 条件が全て揃わないと回路が最後まで繋がりません。
 この場合、「R2000:ON」,「R2001:ON」のみ「MR001:ON」です。

スイッチ1
(R2000)
スイッチ2
(R2001)
コイル
(MR001)
OFF OFF OFF
ON OFF OFF
OFF ON OFF
ON ON ON

・OR回路(並列回路とも言われる)
 縦並びにa接点つなげてコイルに渡します。
 条件が1つでも揃えば回路が繋がります。
 この場合、「R2000:ON」または「R2001:ON」なら「MR001:ON」です。

スイッチ1
(R2000)
スイッチ2
(R2001)
コイル
(MR001)
OFF OFF OFF
ON OFF ON
OFF ON ON
ON ON ON

And回路Or回路

条件が揃って動作はAND回路、どれか1つでもの動作はOR回路

NAND回路とNOR回路

NAND回路とNOR回路はそれぞれ、AND回路とOR回路の反対(NOT)の意味になります。
そのため、コイルの動作も全く逆になります。
まず、NAND回路の説明をします。

・NAND回路
 下の表を見てわかると思いますが、スイッチ全てがONの時にコイルがOFFになります。
 そのため、並列でスイッチをb接点にすることで作れます。
 AND回路の動作の逆になります。そのため、AND回路を作りコイルをNOT回路にしても可能です。

スイッチ1
(R2000)
スイッチ2
(R2001)
コイル
(MR001)
OFF OFF ON
ON OFF ON
OFF ON ON
ON ON OFF

Nand回路

・NOR回路
 下の表を見てわかると思いますが、スイッチ全てがOFFの時にのみコイルがONになります。
 そのため、直列でスイッチをb接点にすることで作れます。
 OR回路の動作の逆になります。そのため、OR回路を作りコイルをNOT回路にしても可能です。

スイッチ1
(R2000)
スイッチ2
(R2001)
コイル
(MR001)
OFF OFF ON
ON OFF OFF
OFF ON OFF
ON ON OFF

NOR回路

NAND回路はAND回路の逆、NOR回路はOR回路の逆の挙動をする

XOR回路

排他的論理和回路とも呼ばれています。
あまり使うことはないかもしれませんが、以下の表のように動作は表せます。
スイッチ1もしくはスイッチ2のどちらか一方のみONの時にコイルがONする(排他)回路になります。

スイッチ1
(R2000)
スイッチ2
(R2001)
コイル
(MR001)
OFF OFF OFF
ON OFF ON
OFF ON ON
ON ON OFF

Xor回路

XOR回路は排他的な制御で使用される。

自己保持回路(セルフホールド回路)

自己保持回路の説明をします。
セルフホールド回路とも呼ばれ、一度押されるとスイッチを離しても(スイッチOFF)してもコイルがONし続ける回路です。
自己保持回路

動きの流れを説明します。
スイッチを押すとコイルまで繋がりコイルがONします。そうするとコイルのスイッチもONします。
自己保持回路2

次の周期で前回の周期でコイルがONであったため、コイルのスイッチがONになります。
そのスイッチがコイルまで繋がってコイルがONし続けます。
この周期の時にスイッチR20000のON/OFFは関係ありません。
自己保持回路3
自己保持回路では、一度コイルがONするとOFFできないため、ここではコイルOFF用のスイッチMR002をb接点で回路に入れています。
コイルがONしている時にMR002をONするとコイルがOFFします。
デッドロック(コイルがOFFできなくなる)で制御できなくなることがないように注意しましょう。

また、コイルを使用する点での注意点ですが、2重コイルに注意しましょう。
同じ出力名のコイルが2つ以上あると正常に動作しません。

一度のスイッチ操作でコイルをONし続けられる。ただし、デットロックに注意

セット・リセット回路

セット・リセット回路は自己保持をしてくれる回路です。そのため、ONはセット、OFFはリセットで行います。
自己保持回路と描き方が異なるぐらいで同じです。
セットリセット回路
デッドロック(コイルがOFFできなくなる)で制御できなくなることがないようにリセットを入れたりして注意しましょう。

セット・リセットの出力を使用する際には、セット出力を入れたらリセット出力も同時に作るようにしましょう。
そうすることで、デッドロックを予防できます。また、動作入れ忘れを防止できます。

自己保持と同じ描き方が異なる。同じように、デットロックに注意

オルタネート回路(フリップフロップ回路)

オルタネート回路はスイッチを押すたびにON/OFFを交互に繰り返します。
フリップフロップ回路とも呼ばれます。
オルタネート回路

OFF→ONに移る動きを説明します。
スイッチをONすると立ち上がりパルスで押した1周期スキャンのみONします。そのタイミングでコイルがONします。
オルタネート回路2

次の周期でスイッチの立ち上がりパルスは切れます。
ですが、前の周期でコイルがONしているためコイルのスイッチがONして自己保持がかかります。
オルタネート回路3

スイッチを押すたびにコイルのON/OFFが切り替わる

シーケンス制御として以下の本が詳しくわかりやすいです。
よければ参考にして見てください。
図解入門よくわかる最新シーケンス制御と回路図の基本 (How‐nual Visual Guide Book)

基本的な段階回路

プログラムをラダー回路で記述する際に段階的にシーケンス制御をしていくと思います。
段階的に制御することで、制御が次々と進んでいきます。
その際の段階的なシーケンスの動きについて簡単に説明していきます。

自己保持回路の段階回路

自己保持回路の段階回路として、一例を下に載せました。
作りは色々パターンがありますので、自分のやりやすいようにしてもらえればいいと思います。
制御の流れとして、
「R2000スイッチON」→「1段階目処理」→「R2001スイッチON」→「2段階目処理」→「R2002スイッチON」→「処理終了」
になります。

1段階目処理だけで処理をさせたい場合は「MR001:a接点」「MR002:b接点」のAND回路で動くように次に繋げればいいです。
自己保持回路の段階回路

セットリセットの段階回路

先ほどの自己保持の段階回路のセットリセットで作った等価回路になります。
制御の流れとしても同じで、
「R2000スイッチON」→「1段階目処理」→「R2001スイッチON」→「2段階目処理」→「R2002スイッチON」→「処理終了」
になります。
こちらも1段階目処理だけで処理をさせたい場合は「MR001:a接点」「MR002:b接点」のAND回路で動くように次に繋げればいいです。
セットリセット回路の段階回路
セットリセット回路の段階回路2

段階回路で制御を進めていき一連の動作とする

タイマー回路

意外と要望が多かったタイマー回路について追記して行きますね。
今回は基本的なタイマー回路について話します。

基本的なタイマー回路は大きく分けて3つあります。
・オンディレータイマー回路
・オフディレータイマー回路
・ワンショットタイマー回路

簡単に説明して行きたいと思います。

オンディレータイマー回路

簡単に言いますと、スイッチONしてから一定時間経過後にコイルがONする回路です。

用途としては
・タイムラグでONさせたい動作
・異常監視  など

回路を描くと以下になります。
オンディレイタイマー回路

タイマコイル
これはタイマコイルでPLCメーカーによって見た目が異なります。

この場合は100msタイマでカウント10になります。
そのため1秒経過するとT0スイッチがONします。

R2000がONした一秒後にMR001のコイルがONします。

オンディレイはコイルがONするまでに一定時間経過する

オフディレータイマー回路

簡単に言いますと、スイッチOFFしてから一定時間経過後にコイルがOFFする回路です。

用途としては
・タイムラグでOFFさせたい動作
・安全監視  など

回路を描くと以下になります。
オフディレイタイマー回路

先ほどのオンディレイタイマー回路と同様に、100msタイマでカウント10になります。
そのためスイッチOFFした後に1秒経過するとT0スイッチがONします。

R2000がOFFした一秒後にMR001のコイルがOFFします。

オフディレイはコイルがOFFするまでに一定時間経過する

ワンショットタイマー回路

簡単に言いますと、スイッチONしたらコイルがONし、スイッチ関係なく一定時間経過後にコイルがOFFする回路です。

用途としては
・時間基準で動作させたい動作
・時間監視  など

回路を描くと以下になります。
ワンショットタイマー回路

先ほどと同様に100msタイマでカウント10になります。

この回路はスイッチONでコイルがONします。
これはスイッチの立ち上がりで自己保持がかかります。

その後はスイッチ動作に関係なく、一秒後にコイルがOFFします。

R2000がONしたらMR001がONをして、その一秒後にMR001のコイルがOFFします。

ワンショットタイマーはコイルがONしたらコイルがON、一定時間経過後にOFFする

ラダー回路の工夫

私がラダーを描く際に少し注意・工夫している点を少しだけ説明します。
・並列回路の見にくさ軽減
・コマンド、インターロック、出力と分ける
・出力でソレノイドバルブ制御の場合

並列回路の見にくさ軽減

以下のように並列回路を書きます。
ですが、どんどん並列回路のスイッチが増えると縦に回路が伸びてビジュアルプログラムではとても見にくくなります。
並列回路の工夫

その場合、以下のように等価回路が作れます。
並列を直列にする場合AND回路さらにNOT回路にすることで同じ回路になります。
すこしわかりにくい形になりますが、プログラムとしてはとても見やすくなります。
並列回路の工夫

ラダー回路を極力見やすくして間違いを低減する

誤動作防止

入力及び出力は極力シンプルにするのは基本と言いました。(ヒューマンエラー、バグの防止)
それ以外にも注意点があり、基本的に誤動作防止を考えて描いていきます。

・入力をそのまま使用しない。
入力をそのままするのではなく、誤動作防止を踏まえて使用する。
誤動作が起こらないと思われる場所はそのまま使用しても問題ないと思います。

センサで待機側、動作側2点取っている場合、そのセンサ2点の状態から待機側、動作側を判断してプログラムに使用します。
センサ、スイッチ等が壊れないとは言い切れません。
故障の際にプログラムを進めさせないためです。

・動作コマンドを出力にそのまま使用しない。
こちらも誤動作が起こらないと思われる場所はそのまま使用しても問題ないと思います。
インターロック(動作が可能な状態を監視・判断)するのを使用します。

常時、出力の動作に対して状態を監視・判断を作っておきます。
コマンド+インターロックで出力に渡します。

入出力は誤動作防止を考えて利用・接続をする

出力でソレノイドバルブ制御の場合

シングルソレノイドやダブルソレノイドを出力で使用する場合の工夫点です。
ダブルソレノイドバルブを制御する場合、2点出力が繋がっていると思います。
制御状態により、両方OFF、片一方ONがありますが通常両方ONはあり得ません。
そのため、両方ONを制御として作らせない方法です。

また、シングルソレノイドバルブの制御をダブルソレノイドバルブのプログラムを作っておくと、シングル→ダブルと変更になった際にプログラム修正が容易になります。

・自己保持回路
特徴として、R50000,R50001が同時にONしないようになっています。
例えばMR000(MR010,MR011がON状態として)がONした場合MR1000が一度ONします。
その周期ではR50000がONをせず、R50001の回路を切ります。(R50000,R50001がOFFする)
次の周期でR50001がONします。

ここでMR100(両方出力OFF)を作っているのは両方を切りたい場合のスイッチになります。
ダブルソレノイド回路

・セットリセット回路
先ほどの自己保持回路の等価になります。
同様にR50000,R50001が同時にONしないようになっています。
ただし、MR000もしくはMR001(MR010,MR011がON状態として)がONした場合R50000,R50001が両方OFFの1周期はありません。
すぐに(その周期で)ON/OFFが切り替わります。
ダブルソレノイド回路
ダブルソレノイド回路
ダブルソレノイド回路

ソレノイドバルブ制御ではダブルソレノイドで回路を作っておくと変更にすぐに対応できる

シーケンス制御として以下の本が詳しくわかりやすいです。
よければ参考にして見てください。

2017/09/27 タイマーについて追加

カテゴリー
マネジメント用語

マネジメント5 提案を通しやすくするDESCの話し方

提案を通しやすくするDESCの話し方

提案を通す話し方はできていますか?
相手に提案内容が本当に伝わっていますか?
今回は、「提案」に対する話し方「DESC話法」について話していきたいと思います。

DESC話法とは

DESC話法

DESC話法とは「Describe」「Explain」「Specify」「Choose」の略になります。
これはそれぞれ場合により「Explain」→「Express」「Specify」→「Suggest」「Choose」→「Consequence」
に変えることがあります。内容としては同じです。
話し方の流れとしては以下になります。

「Describe」:描写(現在の状況)
「Explain」「Express」:説く、表す(共感してもらう)
「Specify」「Suggest」:具体的に提示、提案(提案する)
「Choose」「Consequence」:選択、結論(結論づける)

「提案」「要望」に対して相手に伝える方法として使用できます。
交渉の場面でも大いに役に立ちます。

メリット・デメリットもありそれは次のようになります。

・メリット

簡潔にわかりやすく説明内容が伝わる
相手が状況を理解しやすい(実感しやすい)
相手の意見を尊重できる
提案・代替案が通りやすい
建設的な話し合いになりやすい

・デメリット

自分の意見を強く押しだせない
提案内容を複数持つ必要がある
選択・決定の権利は相手になる
責任を持つのは相手になる

そのため、物事の「提案」にはうってつけの話し方になります。
他にも相手に「要望」を伝えたいときや、相手の判断に任せたい時などに使います。

社会人であれば、誰でも「要望」「提案」や「交渉」はしなければならないものと思っています。
私としては、「PREP話法」と共にいろんな場面で使えるようになってもらいたいです。

DESC話法は色々な場面で提案・要望を展開できる

せっかく提案をしていくのですから、しっかり伝えチャンスを掴みましょう。
この本はチャンスの話し方を詳しく書いてある本です。
チャンスを生かせる人の話し方

提案を簡潔にわかりやすく伝える話し方

・使い方の例(DESC話法を使わない場合)

PREP話法を使用しない場合

提案の仕方が下手だと次のようになるかもしれません。

営業マン「課長、一人つけてもらいたいです。いかがでしょうか?」
課長「なぜ一人つけたい?」
営業マン「担当地区の対応でいっぱいだからです。」
課長「みんな忙しくやってるよ。」
営業マン「ですが、XXX地区で売上げが増えてるみたいです。」
課長「だから?憶測だけで言っているんじゃないか?」
課長「担当地区も満足にさせないで、なにを言っているんだ?」
・・・

っとなってしまいます。
提案をしているのに上司(課長)の仕事の邪魔をしているだけになってしまいます。
営業マンも悪気はないですが、これも上司(課長)から「もっとしっかりしろよ!」と言われそうです。
良い情報があったとしても、話し方次第でチャンスを逃してしまいます。

・使い方の例(DESC話法)

PREP,DESC話法を使用した場合

DESC話法だと次のようになります。

営業マン「課長、ここ3ヶ月で7%製品の購入の割合がXXX地区で増えています。」
営業マン「できれば、私が対応したいです。ですが、担当地区の要望で手がいっぱいです。」
営業マン「営業マンを一人つけてもらいたいです。いかがでしょう?」
課長「いま、人手がたりないからなぁ...」
営業マン「それならば、週に3日だけ営業目標未達成者をつけさせてもらい、その者の営業目標を達成する機会にしてみたらいかがでしょうか?」
課長「よし、やろう!」

ここで今の話し方を砕いて説明します。

「Describe」:描写(現在の状況)
→「課長、ここ3ヶ月で7%製品の購入の割合がXXX地区で増えています。」
ここでは「XXX地区でここ3ヶ月で7%製品が増えている」ことが、提案に対する問題状況になります。

話し方で重要なのは、「客観的に現在の提案に対する問題状況を話す」ことです。

「Explain」「Express」:説く、表す(共感してもらう)
→「できれば、私が対応したいです。ですが、担当地区の要望で手がいっぱいです。」
ここでは「私がやりたい」→「でもできない」という事が、自分の気持ちを話すことになります。
上司(課長)もその言葉の裏(今までの行動など)を理解できる状況から営業マンの気持ちを汲み取ることができます。

話し方で重要なのは、「相手の気持ち、自分の気持ちを話し共感を得る」ことです。
ただし、自身の意見を押し付けるようなことはしないようにします。

「Specify」「Suggest」:具体的に提示、提案(提案する)
→「営業マンを一人つけてもらいたいです。いかがでしょう?」
ここでは「営業マンを一人つける」ということが「要望」であり「提案」になります。

話し方で重要なのは、「具体的に実現性のある内容、問題を改善できる内容を話しす」ことです。
相手が問題に関与していても相手を責める発言はしないようにします。

「Choose」「Consequence」:選択、結論(結論づける、つなげる)
→営業マンは課長の「いま、人手がたりないからなぁ...」=「No」と取り、「No」の場合の代替案を提示しました。
その代替案が、「週に3日だけ人をつける」「営業目標を達成する機会にする」でした。それが「つなげる」内容になります。

話し方で重要なのは、「提案に対してYes、Noどちらになっても次の提案、もしくはすべき行動を考えておく」ことです。
相手に選択結果もしくは結論を言ってもらいましょう。
先にいくつかの提案をして選んでもらうのも、提案を通しやすくする方法の一つです。
また、代替案に「本当にさせたい要望内容」を持ってくるのもより高い要望を通す一つの方法になります。

DESC話法を使えば提案を相手の考えを元に建設的に話していける

より相手が話しやすく、より話しを深くしやすくする質問方法

さきほど、提案を通しやすくする方法として、「提案を選んでもらう」といいました。
理由としては、人が答えやすい「限定質問」だからです。

そのため、深く話を聞きたい場合の流れとは 「限定質問」→「拡大質問」になります。
少し脱線しますが、重要な内容なので説明したいと思います。

「限定質問」と「拡大質問」の違いについて話していきます。

・限定質問

 「Yes」「No」,「はい」「いいえ」など特定の答えがある決まっている内容の質問になります。
 返信しやすく、質問内容を端的に知ることができます。  

・拡大質問

 「5W1H」のような「何を」「どのように」などしっかり考えた上での話し方になります。
 考えなければならないため、返答に時間がかかります。質問内容の相手の考えを細かく深く知ることができます。

限定質問から拡大質問に変えて相手の考えを深く掘り下げる

せっかく提案をしていくのですから、しっかり伝えチャンスを掴みましょう。

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マネジメント用語

マネジメント4 的確な報告をしようPREPの話し方

的確な報告をしよう PREP(プレップ)の話し方

報告をするときの話し方は相手に伝わっていますか?
的確に、かつ簡潔に相手にわかりやすく話していますか?
今回は、「報告」に対する話し方「PREP話法」について話していきたいと思います。

PREP話法とは

PREP話法

PREP話法とは「Point」「Reason」「Example」「Point」の略になります。
話し方の流れとしては以下になります。

「Point」:要点(言いたいこと)
「Reason」:理由(なぜ言いたかったか)
「Example」:事例(こんなことがあるから、あったから)
「Point」:要点(言いたいこと)

で話す方法になります。
ここでは報告として話していますが、プレゼンテーションなどの場合にもこの方法は活躍します。
また効果的な表など(パレート図など)を一緒に使用すれば、さらに説得力が増します。

メリット・デメリットもありそれは次のようになります。

・メリット

自分の意見を強く伝える。
簡潔にわかりやすく伝わる

・デメリット

相手の意見をきかない(一方的な意見)
相手が同調する内容ではないと反発を買う
言ったことに対しては自分の責任になる

そのため、物事の「報告」にはうってつけの話し方になります。
他にも自分の意見を突き通したいときや、正しいと思っていることを相手に言い聞かせる時などに使います。
社会人であれば、誰でも「報告」はしなければならないものと思っています。
私としては、そこから拡げていろんな場面で使えるようになってもらいたいと思っています。

相手の意見も尊重して今後の方向をどうするか相談する「提案」の場合の話し方は別にあります。
「提案」の話し方は「DESC話法」がありますが、その回の際に詳しく伝えたいと思います。

自分の意見を簡潔にわかりやすく伝える話し方

以下の本は話し方・相手への伝え方としては非常に役に立ちます。
よければ参考にしてみてください。
伝え方が9割

PREP話法の使い方

ここでは特に報告としてを例にあげます。

・使い方の例(PREPを使わない場合)

例えば営業マンが上司(課長)に報告をしたとします。

PREP話法を使用しない場合

営業マン「課長、XXX商事が怒っております。」
課長「なぜ怒っている?」
営業マン「XXX商事からクレームが出たためだと思います。」
課長「どんなクレームがあった?」
営業マン「我が社の新製品についてクレームがありました。」
課長「具体的にはどのような事が起こった?」
営業マン「新製品の10個中5個に初期不良があったそうです。」
課長「XXX商事は何か言っていなかったか?」
営業マン「課長をすぐに連れて来いと言っていました。」

課長「なぜそれを先に言わない…」

っとなってしまいます。
話の要点を聞き出すのに上司(課長)が、とても労力が必要になってしまいます。
こんな報告では上司(課長)も大変苦労します。
営業マンも悪気はないですが、上司(課長)から「もっとしっかりしろよ!」と言われそうです。

・使い方の例(PREP話法)

PREP話法だと次のようになります。

PREP話法を使用した場合

営業マン「課長、XXX商事が課長にすぐ会いたいと申し出ています。」
営業マン「我が社の新製品においてXXX商事からクレームが出てしまい、それについて課長から話しを聞きたいとの事です。」
営業マン「具体的に言いますと、XXX商事が購入した新製品10個中5個に初期不良が見つかりました。」
営業マン「そのためXXX商事が課長にすぐに会いたいと言っています。」
課長「わかった、すぐにいく。」

ここで今の話し方を砕いて説明します。

「Point」:要点(言いたいこと)
→「課長、XXX商事が課長にすぐ会いたいと申し出ています。」
ここでは「XXX商事が課長にすぐ会いたい」が要点になります。

「Reason」:理由(なぜ言いたかったか)
→「我が社の新製品においてXXX商事からクレームが出てしまい、それについて課長から話しを聞きたいとの事です。」
ここでは「新製品でクレーム」⇨「課長から話しを聞きたい」と理由を話しています。

「Example」:事例(こんなことがあるから、あったから)
→「具体的に言いますと、XXX商事が購入した新製品10個中5個に初期不良が見つかったためです。」
ここでは「クレームの内容:新製品の初期不良」の事例を話しています。

「Point」:要点(言いたいこと)
→「そのためXXX商事が課長にすぐに会いたいと言っています。」
ここではもう一度「XXX商事が課長にすぐ会いたい」という要点を強調しています。

報告一つでその人の印象が全く異なってきます。
確かに話し方として 「自分の意見」 「話したことは自分の責任」 になります。
また、この話し方を普段でもできるようになればビジネスマンとして顧客にも上司にも信用されると思います。
なるべく心がけましょう。

報告時に「Point」「Reason」「Example」「Point」で話し、話す内容に責任を持つ。

報告をする前に

報告をする前に報告する内容をしっかり把握しましょう。
しっかり把握できないと、自分の話す内容に責任が持てずPREP話法もできなくなります。

現状把握
要点整理
(対象がいる場合)相手の心情
(対象がいる場合)相手の求めるもの

「報告内容は責任を持って伝える」という意思を持って、情報を集めれば何も怖くはありません。
事実確認をしっかりしておきましょう。

責任感を持った報告をしようと思えば、嫌な報告でも何も怖くない

以下は相手への伝え方として違った観点から役に立ちます。
よければ参考にしてみてください。

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マネジメント用語

マネジメント3 企業における収益のパターン

企業における収益のパターン

考えれば当たり前の事ですが、意外とわからない企業における収益のパターンについて簡単に噛み砕いてそれについて説明します。
製品開発や製品のモデルチェンジの方向性を示す上でとても重要です。

収益にするには

収益を出すということは支出(使用する金額)と収入(獲得する金額)で収入(獲得する金額)の割合が多いということです。
現時点からの相対的な比較で考えていきます。

収入と支出の関連
(収入/支出)>0
であれば、企業として利益を出していることになり、企業としての存続価値があります。

一般的な企業は利益を出していかないと存続価値がなくなる

下は企業利益を考える上でためになる本になります。
なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか―――高収益企業になるための5つの実践法

企業における収益のパターン

収益として5パターンがあります。
それぞれ企業の状態や方向性によっても変化していきます。

・収入が増えて(Up)、支出が減る(Down)

収入UP支出Down

もっとも目指したいパターンです。
的確な戦略や方策と社員のモチベーションが高くないと、なかなかできるものではありません。
このパターンを維持するのはとても難しいですが、効率よく利益が最大限になるのもこれと言えます。
JALの再建などはこのパターンですが、さすが稲盛和夫という気がします。

・収入が増えて(Up)、支出は変わらない(Stay)

収入UP支出Stay

企業の存続という意味では、一番リスクと労力が伴わないパターンになります。
変動費(可変費用)が少ないサービス業の企業などに多い傾向があります。

・収入が大きく増えて(VeryUp)、支出も増える(Up)

収入veryUp支出Down

多くの企業の起業直後や多くのベンチャー企業などはこのパターンです。
支出を多くすることで企業の成長を促進するパターンになります。
急成長するのはほとんどがこのパターンで、成功すれば短期間でより多くの収益が見込めます。

・収入が変わらずに(Stay)、支出が減る

収入Stay支出Down

日本の多く製造業、日本の工場のではこのような部分はあります。
特にリーン生産方式やトヨタ生産方式を取り入れている工場では、段階的に効率化をはかり支出を抑えていきます。
支出の減った分、収入にするのではなく顧客に対して還元し次の受注につなげる場合はこちらになります。
そして、受注量を多くなれば「収入が増えて、支出が減る」という理想になるためこれを行っています。

・収入が減り(Down)、支出は大きく減る(VeryDown)

収入Down支出veryDown

業績不良に陥った企業の業績不良事業の売却などは、このパターンになります。
(場合により収益は増えますが、企業の資産としては減ります。) 
このパターンは一時的であれば有効です。
これが続くようであれば企業としては縮小傾向にあり何らかの対策を施さないと存続が危ぶまれます。
支出を大きく減らすのには限界があるからです。

今行っている収益の獲得方向を間違えてしまうと、黒字を目指しているのにいつの間にか赤字になっているということも考えられます。
その辺を踏まえて方向性を合わせて仕事をしていきましょう。

一般的な企業は利益を出していかないと存続価値がなくなる

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ものづくり用語

「機能信頼度」製品機能の品質バロメーター

「機能信頼度」製品機能の品質バロメーター

製品を設計する際には製品仕様を作ります。
その製品仕様から製品の機能に展開しますが、その機能自体の品質が維持できなければ結果として仕様が満たせなくなります。
その「機能信頼度」を設計にどう関係していくか話したいと思います。

機能信頼度を高くしたいとき、設計時の機能信頼度によって機能維持の考え方に記述されているような変更が必要です。

仕様と機能の関係性

「機能信頼度」を話す前に、そもそも機能と仕様の関係を簡単に話したいと思います。

 例として、「ノック式ペン」で考えます。
製品の機能を維持する「機能信頼度」ペンの例

「仕様」としては「片手の親指操作だけでペン先を出し入れ」
「機能」としては「ペンの上部を押すとペン先が出る」「もう一度押すと戻る」

「仕様」はあるべき姿
「機能」は「仕様」からあるべき姿にするための方策

の関係だと思っています。

「仕様」とは、あるべき姿。「機能」とは、あるべき姿にするための方策

「機能信頼度」とは

「機能信頼度」とは、簡単に言いますと「ほぼ機能の品質」になります。

先ほどの例の「ノック式ペン」で考えます。
機能は「ペンの上部を押すとペン先が出る」「もう一度押すと戻る」でした。

「機能信頼度」
1万回正常に「ペンの上部を押すとペン先が出る」「もう一度押すと戻る」が満たされる。
になります。

これは仕様から機能を展開した後にその機能自体が満たすことができるかどうかの度合いです。
「機能信頼度」≒「機能の品質」→「仕様の品質」につながる

機能の品質としては以下が挙げられます。

 ・機能のグレード
 ・機能の信用度(機能信頼度はこちらの意識が強い)

「機能信頼度」とは仕様から展開した機能を満たす度合い

「機能信頼度」落とすとどうなる?

先ほども述べましたように「機能信頼度」は「仕様の品質」につながっていきます。

・「機能信頼度」の低下

既存の製品からのモデルチェンジだった場合、今まであった仕様も少なからずあるはずです。
特に今までの製品の延長上の仕様は今まで以上の信頼度が高くないといけないです。

信頼度が低い(仕様を満たさない故障等が多い場合)と、顧客は「当然あるべきもの」と思っていたものが満たされないため、不満足になります。
それは満足できる部分があったとしても満たされません。
満足と不満足の関係は、「満足・不満足」を参照してください。

「機能信頼度」は、製品自体の「信頼度」につながります。
実際はその製品だけのものですが、にもかかわらず顧客は企業全体としての「信頼度」と混同して捉えてしまう傾向にあります。

そのため、「機能信頼度」が低下してしまい、顧客に周知されてしまうと企業全体として「信頼度」が低下したと捉えてしまいます。
それは、すでに販売済みの製品でもそうでなかったとしても「信頼度」果ては「機能信頼度」を低く捉えてしまうことになります。

・メーカーの考え方

メーカーの不具合確率(100万個に1個だとしても) だったとしても、購入し不具合に当たった顧客は100%不具合品。
そのため特に日本の製造業は「機能信頼度」を高くしている傾向にある。
そのため、製品の規格に対しても工程能力を加味した製品の製造を行っています。

・機能信頼度の業界による考え方の違い

「機能信頼度」はどんなものでもついてきます。
ですが、業界によりその信頼度の大きさが違って市場に出てきます。

機能信頼度を高くとる
 製造業界
 →リコールとなり、手直しに莫大な費用がかかる為

機能信頼度が比較的低め
 サービス・ソフトウエア業界
 →バージョンアップ等で済むため、 手直しにさほど金額がかからない

「機能信頼度」を見極めないと企業の価値も下がってしまう。

信頼性の傾向を掴むバスタブカーブ(故障率曲線)

バスタブカーブ(故障率曲線)と呼ばれ縦軸に「故障率」横軸に「時間経過」を表したグラフによって故障率の傾向が表されます。
バスタブのような形の曲線なので「バスタブカーブ」と呼ばれます。
バスタブカーブ

時間の経過により初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間に分けられます。

故障率減少カーブ (DFR) 
故障率一定カーブ (CFR)
故障率増加カーブ(IFR)

故障率減少カーブ (DFR)の傾向が大きい場合

故障率減少カーブ
製造する上での欠陥等による故障です。
検査の工程がない、もしくは抜けてしまうような品質による場合でもこの傾向になりやすいです。
これは時間の経過とともに故障率が減少ていくタイプのものです。

故障率一定カーブ (CFR)の傾向が大きい場合

故障率一定カーブ
偶然に起こってしまう故障です。
規格の範囲が甘かったり、製品の使用範囲が想定を超えていた場合などが関連する故障です。
時間と関連性がなく一定の割合で故障するタイプのものです。

故障率増加カーブ(IFR)の傾向が大きい場合

故障率増加カーブ
設計や材質等の変更等でこのカーブの位置が変わります。
磨耗などの機械的な故障が時間の経過とともに増加していくタイプのものです。

この3つのグラフが一緒になってバスタブカーブを作ります。
モデルチェンジなどや対策に迫られた場合、どの傾向が強いのか判断して対応していけば対応しやすいです。

特にどの傾向が強い曲線になる機能か判断した方が良い

品質工学、機能の判断として分かりやすい本です。機能と品質について参考にしたい方はどうぞ。
これでわかった! 超実践 品質工学 ~絶対はずしてはいけない 機能・ノイズ・SN比の急所~

信頼性向上の対策

様々な要因で信頼性が上がらない場合があります。
「企画」「設計」「製造」の部署をまたいだり、「ヒューマンエラー」などの人為的ミスにより信頼性が上がらないこともあります。

信頼性向上の内容

ミスを作らない「排除」
ミスを誘発させない「代替」
ミスを起こさせない「簡素化」
ミスを気づく「異常の検出」
ミスを普及させない「対応展開」

・ミスを作らない「排除」
ミスになる原因そのものを作らない、あったら排除することです。

・ミスを誘発させない「代替」
ミスにならないように、なりにくいように別な物で代替えすることです。

・ミスを起こさせない「簡素化」
作業項目等を簡単にして、ミスの箇所を極力少なくすることです。

・ミスを気づく「異常の検出」
異常の発見装置や検査等で、ミスを気づいて止める方法のことです。

・ミスを普及させない「対応展開」
同じようなミスを他の箇所でも起こさないようにすることです。

これらを考えていく必要がありますが、その上で「リスク評価」をしていく必要があります。
ここでのリスク評価とは信頼性が失われた際にどうなるか?というものを考えていくものです。
品質基準は国や購入層によっても異なってきます。その為、リスク評価も異なってきます。

これらは、リスクアセスメントと考え方は同じです。
リスク評価を行なってそれに対応する設計を行いましょう。詳しくはそちらを見てください。

先ほど述べたようにリスクの評価は、異なってきます。
後で述べるツール等を使用した方法で先に対策の洗い出しと評価内容の検討を行なっていけば良いと思います。

機能に関しても、リスク評価をしないといけない

重要な箇所は「冗長化」

リスク評価をして、それでもとても重要な部分は「冗長化」(二重化)する必要があります。

「冗長化」とは、機能を二重化しておき一方が故障してももう一方が残っていれば対応して問題なく動作する回路やシステムのことです。
これは機能信頼度をあげる方法としてはとても良い方法です。ただし、コストはその分二重にかかります。

このように、バックアップを持たせた二重回路・システムというのは多くの箇所で使用されています。

・飛行機
・発電所
・金融関連システム
・安全回路
 etc

リスク評価によっては冗長化を選択しないといけない

対策の洗い出しのツール

信頼性向上の対策の項で述べたように、品質基準は国や購入層によっても異なってきます。

製品の品質と機能の関連「品質機能展開」(QFD)
未然防止為の変化点解析(DRBFM)
部品故障からの故障解析(FMEA)
故障からの原因解析(FTA)

を駆使していけば明確になります。
詳しくは、各項目の内容の際に説明したいと思います。

ツールを使用して明確にしてリスク評価につなげる

品質工学の分かりやすい本がこちらになります。
参考にしたい方はこちらからどうぞ。

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ものづくり用語

大きい要因から着手しよう パレート図

大きい要因から着手しよう パレート図

品質管理(Quality Control)の一環として、よく使用される表示方法の一つに「パレート図」があります。
パレート図はどんなもので、どのように見かたをするのか、どのように使えば効果的なのかを説明していきたいと思います。

パレート図とは?

パレート図とは下の図のように表すことができます。

パレート図正規

このように、棒グラフで表す要因の大きさ・量とその棒グラフで表したの割合(累積比率)を折れ線グラフで表すグラフになります。
ルールが決まっていて、棒グラフは要因の大きさ・量が大きいものから(左から)順に並べます。

これにより要因に対する全体の割合が一目でわかります。
大きい順に並べることで、どのような項目が割合として大きいのか視覚的にわかりやすいグラフになります。

パレート図は視覚的に認識しやすいグラフ

パレート図の使いかた

パレート図は品質管理(Quality Control)でよく使われますが、それなりに理由があります。
特に、パレート図で表して何をしたいのかと言いますと次のような内容になります。

・要因の種類が多く全て対応しきれない場合
・要因の対策や対応の優先順位がわからない場合
・少ない対策でより大きな結果を出したい場合
・プレゼン等で要因に対する説得力を出したい場合

種類が多くても大きい順に並べられ比率も分かるため、優先順位がわからない場合グラフの左の項目から着手すれば良いと言えます。
また、項目に対しての比率が分かるため割合として、どこまでやるべきかも判断ができます。

視覚的にも一目でわかりやすく、大きさ・比率が瞬時に判断できます。
「対応・対策内容」「対応・対策順」「対応・対策した結果」に対して説得力を出せ、プレゼン等での発表でも良く使われます。

パレート図は優先順位出しや効率よく結果を出したい場合に使える

パレート図の見かた

先ほど説明した使い方に沿って見方を説明します。

・「比率」から「値・大きさ」がすぐに分かる
 または「値・大きさ」から「比率」がすぐに分かる

パレート図見方2
パレート図の見方として、「値」と「比率」がすぐに知ることができます。
「累積比率」の軸より線を引き「大きさ」の値を読むと、それが比率に対する値となります。
逆に「大きさ」の軸より線を引き「累積比率」の値を読むと、それが値に対する比率となります。

この例では比率「50%」の際に大きさが「526」になることがわかると思います。

・上位項目の合算の「値・大きさ」と「比率」がすぐに分かる

パレート図見方1
パレート図の見方として、上位項目の合算の「大きさ」の値と「累積比率」の値がすぐに読み取れます。
合算して知りたい部分の項目の右側より上に線を引きます。
その線が累積比率の線に当たった箇所から「大きさ」の軸に線を引くと「大きさ」の合算した値が
「累積比率」の軸に線を引くとその上位項目の合算した「比率」が読み取ることができます。

この例では上位の3つの項目を合算します。
合算の合計の大きさは「791」、3つの合わせた比率が「75.2%」になります。
ここでは「累積比率」の線上に値があるので「累積比率」の軸に線を引かなくても、比率がその値になります。

・上位項目の「共通点」より「大きさ」の要因がわかる場合がある

パレート図見方3
パレート図の見方として、上位項目の共通点を見つけ出すことができれば「大きさ」の要因を知ることができるかもしれません。
実際に共通点を見つけて「大きさ」に対する真因を見つけれる場合があります。

この例では「りんご」「みかん」「ぶどう」「梨」の上位項目5つ中4つが「フルーツ」という共通点があります。
全項目(10こ)中にフルーツ5つ、野菜5つがあります。
ですが、フルーツが上位に偏っています。
この場合、上位項目すなわち「大きさ」に「フルーツ」の関係はあると考えるべきでしょう。

パレート図の見かたを知ることができれば、瞬時に判断を出すことができる。

以下の本はプレゼン等でのグラフの見せ方として役に立っています。
参考にしてみてください。
レポート・プレゼンに強くなるグラフの表現術 (講談社現代新書)

パレート図の書き方(Excel編)

パレート図を描くのには少し手間がいります。
Excelでの方法を説明したいと思います。

・表を作成(要因の大きい順位並べる)

パレート図を作成するための表を作っていきます。
棒グラフで表したい値(以下、大きさ:パレート図で示したい値)を用意します。
要因を大きい順に並べます。

①並び替えたい範囲を指定します。(項目を含む)
②メニューバーの「ホーム」→「並べ替え/フィルター」→「ユーザー設定の並べ替え」から「大きさ」の項目を選択します。

この後、グラフを作るには「累積値」を求める→「累積比率」を求める→「グラフ」作成となります。

累積値を求める
「累積比率」を求めるための「累積値」を出していきます。
累積

①「累積値」の1つ目は「大きさ」と同じです。
②2つ目からは「前の累積値」+「今の項目の大きさ」で求めていきます。
(一番下の項目(最後の項目)の累積値は大きさの合計値と同じになります。)

累積比率を求める
「累積比率」の折れ線グラフを作るための値を求めていきます。
累積比率

①一番上の項目の上の行を空けておきます。
②そこの累積比率の欄に「0」を入れておきます。(累積比率の最初の値)
(要因の箇所には何も記入する必要はありません。)
③「項目の累積」/「累積の最後の項目」*100 で累積比率にします。
(「累積の最後の項目」=「大きさ」の合計)

一番上に0を入れるのはパレート図にした際の折れ線グラフの開始の位置になり、パレート図の折れ線グラフを0位置から開始させたいためです。
その下の欄は累積数を全体の数で割って100をかけます。それで累積比率[%]を出します。

「最後の項目の累積」に「$」マークが付いていますが、コピー&ペーストの際に値が移動しないようにするマークです。
「F4」を押すことで対応部分にマークがつきます。

・棒グラフを作成(大きさ)

次にグラフを作成していきます。

以下はグラフ作成で使用するショートカットキーです。
ショートカットキー

①「Ctrl」を押しながら、「大きさ」・「累積比率」(0を含む)を選択します。
②「Alt」+「F1」を押します。
(別シートにグラフを出したい場合は「F11」のみを押す)ことでグラフが作成されます。

グラフの範囲はこのように指定します。累積比率は0を入れてください。
グラフ用範囲指定
もちろん、メニューから棒グラフを選んでも問題ありません。

・折れ線グラフを作成(累積比率)

次に累積比率を表す折れ線グラフに変更していきます。

累積比率のグラフ変更

①「累積比率」の棒グラフを選択し、右クリックの後、「グラフの種類の選択」→「マーカー付き折れ線グラフ」を選択します。
②「累積比率」が棒グラフから折れ線グラフに変更されます。

・折れ線グラフ用の軸追加

今は縦軸が大きさになっていると思います。
次は軸をもう一つ追加して、「累積比率」の縦軸を作成します。

累積比率のY軸追加

①グラフ上の「累積比率」の線である折れ線を選択
②メニューのグラフツールの「書式」を選択(図中の右側の赤枠)
③「選択対象の書式設定」を選択(図中の左側の赤枠)
④データ系列の書式設定内の「系列のオプション」の「第2軸(上/右側)」にチェックを入れる(図中の中央の赤枠)

これによりグラフ右側に「累積比率」用の縦軸ができたと思います。

・グラフの軸変更追加

「大きさ」と「比率」の軸のスケールを合わせます。(視覚的にすぐに判断できるように)

まず、棒グラフのスケールを合わせます。
①グラフの左側の縦軸(「大きさ」の縦軸)を選択します。
②右クリックで「軸の書式設定」を選択します。
③軸オプションの「最小値」を0、「最大値」を「大きさ」の合計値(累積の欄の最後の項目)にします。

軸の値設定

同様に次に折れ線グラフのスケールを合わせます。
①グラフの右側の縦軸(「累積比率」の縦軸)を選択します。
②右クリックで「軸の書式設定」を選択します。
③軸オプションの「最小値」を0、「最大値」を100(比率の最大は100%のため)にします。

・グラフの整形

・棒グラフの幅変更
幅を広くして折れ線のマークと棒グラフの右上の角を合わせる準備をします。

①棒グラフ(大きさ)を選択します。
②右クリックで「データ系列の書式設定」を選択します。
③系列オプションの要素の間隔を「なし」にします。
(棒グラフがくっついて見えにくい場合は「1〜5%」に変更、もしくは棒グラフに枠線を入れてください。)

棒グラフの幅変更

・折れ線のマークの位置を変更
軸の位置を変更して、折れ線のマークと棒グラフの右上の角を合わせます。

①折れ線グラフ(累積比率)を選択します。
②メニューのグラフツールの「グラフのデザイン」→「軸」→「第2横軸」を選択します。
③「選択対象の書式設定」を選択します。
④軸オプションの「目盛の種類」を「なし」、「補助目盛の種類」を「なし」、「軸ラベル」を「なし」にします。
(図の中央)
⑤軸位置の「目盛」にチェックします。

折れ線グラフ位置合わせ

・そのほか
折れ線のマーカーの上に値を追加や図のタイトル、軸の名前等をつけてグラフを整形してください。

一度作るのは手間がかかりますが、作成した後はグラフのコピーをして使いまわすことができます。
色々試してみてください。

パレート図の型を作っておけば、同じように使い回せる

以下の本はプレゼン等でグラフの表示の仕方として、使用したりしています。
表現方法として色々参考になります。

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電装・電気電子設計

電気設計1 熱に対応した電装・電気設計

熱に対応した電装・電気設計

熱に対応した電装・電気設計として電装・電気機器の制御盤及び温度の与える影響を考えていきます。
設計時の安全率等は企業によって異なると思いますので、参考程度で読んでいただけたら幸いです。

熱が与える制御部品・電子部品の影響

影響として考えられるのは以下の3つです。

・寿命
・安全
・機能

・寿命

寿命低下はある温度での化学反応の速度を予測する式である「アレニウスの式」で表せます。
グリスやオイルなどの劣化によりそれを使用している部品の寿命が低下します。
しかもその寿命は温度と比例ではなく、温度上昇に伴って加速的に寿命が縮まります。
電子部品では特にコンデンサがよく話に上がります。

・安全

基本的に熱としては肌に接触、雰囲気中の熱によるものが安全になっているかどうかになります。
 低温やけど(40℃程度のものに長時間肌を接触)
 急激な温度上昇
 高温状態と気づかない状態で接触
これ以外にも、温度上昇により有害なガスが発生する場合は考慮に入れる必要があります。

・機能

ここでは特に「マイグレーション」について説明したいと思います。
マイグレーションには熱以外にも要素はあります。そもそもマイグレーションとは、配線や電極として使用した金属が絶縁物の上を移動し、絶縁抵抗値が低下して絶縁不良により故障・機能低下がおこることです。
マイグレーションには3種類があります。

ストレスマイグレーション
 ・金属が温度変化の環境下で応力を受けることによるマイグレーション
 ・不純物等による空孔(ボイド)による,配線の抵抗増加や断線を招く現象

エレクトロマイグレーション
 ・電子運動によるマイグレーション
 ・温度が高い際におきやすい
 ・電流密度が高い際におきやすい

イオンマイグレーション
 ・電気化学的な(電解現象に伴う)マイグレーション
 ・湿度が高い際におきやすい

熱に対して制御部品・電子部品は「寿命」「安全」「機能」を考える必要がある

熱による設計として他にも細かく書かれている本の参考になります。
もっと知りたい方は参照してください。
エレクトロニクスのための熱設計完全入門

制御装置・制御盤内温度設計

熱自体の考え方は「熱の考え方」の話で説明したいと思います。
今回は機器の発熱と電装盤・制御機器箱の放熱の関係を例として説明していきます。
同様の考え方は様々なところで使えます。
制御装置・制御盤内の温度設計で考えなければならない内容は

・発熱量計算
・放熱量計算

発熱量計算、放熱量計算となります。
設計の流れとしては以下になります。
設計の流れ1

流れとしては「発熱量計算」→「(箱の)放熱量計算」をします。
ここで「発熱量」>「放熱量」の場合、「放熱設計」として換気口を設けて「自然換気放熱量計算」をします。
「発熱量−放熱量」以上の(安全率を考慮の上で)換気での放熱量があるか考えます。
それでも足りない場合は、換気口にファン等を設けた「強制換気放熱量計算」をしていきます。

それでは「発熱量」「放熱量」の計算を考えていきます。
以下は発熱と放熱のイメージ図です。
箱放熱図

・発熱量計算

機器自体の発熱量の合計になります。
発熱量がわからない場合は、機器自体の消費電流やロス電流から消費電力[W]を求めてください。
制御盤の例としてあげていきます。

・放熱量計算

箱自体からの周囲に放熱する温度になります。
盤放熱量
盤放熱値
ここでは熱通過率U[W/m2/K]を使用しています。
一般的な制御機器箱(鉄・塗装)は4〜6[W/m2/K]程度ですが環境によっても多少変化します。
ここでの箱内目標温度は制御機器の設計上の寿命計算している温度にします。
複数台の制御機器がある場合はその機器が寿命計算で算出している温度の中の最も低い温度にします。
また、有効放熱面積は箱の表面積になります。

例えば、盤内目標温度を55[℃]、大気温度40[℃]、有効放熱面積2[m2]、熱量1000[W]とすると、熱通過率5[W/m2/K]とすると
Qr=5*2*(55-40)=150[W]
箱自体からの放熱量Qr<機器の発熱量Qの場合は放熱設計が必要になります。 この例では(1000-150)=850[W]のさらなる放熱が必要になります。 熱通過率の推定の必要のない方は「放熱設計」まで飛ばしてください。 発熱量が放熱量を(安全率を掛けて)若干超える場合は、熱通過率の高い材質に変える、ヒートシンク等で有効放熱面積を増やすなどの対応が必要になります。 それでも発熱量が超えている場合は次に説明する「放熱設計」を考える必要があります。

熱通過率の推定
熱通過率がわからない場合は以下より推定してください。
下は箱の内部と外部の断面図になります。
熱が壁を伝わる流れ図
熱通過率
で表されます。熱の伝わり方として、内部の温度T→板表面Th1→板外面Th2→外部の温度(大気温度)T0に伝わっていきます。
それぞれの伝達率は箱内部の熱伝達率h1[W/m2•K]、箱外部の熱伝達率h2[W/m2•K]、板の伝達率は箱の板厚t[m]、箱の熱伝導率λ[W/m•K]から導き出されます。

これを求めるのには以下が必要で
熱伝達率
熱伝達率h1は箱内側の対流熱伝達率ha、熱伝達率h2は箱外側の対流熱伝達率hb+放射熱伝達率hεから求めます。
対流熱伝達率ha、hbは流体の流速により変わります。

下記は空気の熱伝達率と風速の関係表です。
空気の熱伝達率
また、放射熱伝達率hεは板から発生する放射熱による放熱になります。
放射熱伝達率

5.67*10^8はシュテファンボルツマン定数と呼ばれるものです。
εは放射率になり0.6〜0.9程度で良いと思います。また、Th1,Th2を使用しています。
正確ではないですが推定では箱内外の中間(T-T0)/2+T0程度で良いと思います。

例:放射率0.8、Th2,47.5[℃],箱内の大気の流速1[m/s],箱外の大気の流速0.5[m/s]、箱板厚0.003[m]、箱板伝導率50[W/m•K]の場合
大気の流速1[m/s]→対流熱伝達率8[W/m2•K]
大気の流速0.5[m/s]→対流熱伝達率4.5[W/m2•K]

h1=8[W/m2•K]
h2=4.5+5.67*10^-8*0.8*((47.5+273.15)^4-(40+273.15)^4)/(47.5-40)=4.5+5.78=10.28[W/m2•K]
t/λ=0.003/50=0.00006[W/m2•K]
U=1/(1/8+0.00006+1/10.28)=4.50[W/m2•K]
考え方は「熱の考え方」で説明したいと思います。

放熱が間に合わないなら「自然換気」「強制換気」での放熱を考える必要がある

制御装置・制御盤内の放熱設計

箱の放熱量の計算まで行いました。
「発熱量」>「放熱量」の場合、これから説明する方法をとります。
この下で話す換気での放熱量は「(換気での)放熱量」>「発熱量」−「(箱の)放熱量」である必要があります。

・自然換気での計算「自然換気放熱量計算」

自然換気放熱図
自然換気放熱の一例図です。自然換気放熱では、換気口を設けて箱内の温度を周辺温度に近づける方法になります。気体の移動は自然に任せます。
放熱量の計算としては以下になります。
自然換気放熱量

自然換気値
通常、雰囲気は空気だと思います。空気の密度は1.154[kg/m3],空気の比熱は1018[J/kg℃]になります。

例えば、箱内目標温度を55[℃]、箱内天井付近温度を58[℃]、大気温度40[℃]、実行換気口面積0.05[m2]、吸気口-排気口の高さ0.3[m]とすると
放熱量Q=1018*1.154*0.05*√((2*9.8*0.3*(55-40))/(273.15-40))*(58-40)=561.12[W]

発熱量1000[W]>箱の放熱量150[W]+自然換気放熱量561.12[W]=711.12[W]なので、さらなる放熱が必要になります。
このように発熱量が放熱量を(安全率を掛けて)若干超える場合は、実効換気口面積を増やす、排気口ー吸気口の高さの差を大きくするなどの対応が必要になります。場合により周囲温度の制限(使用上の温度制限)を設ける方法も考える必要があります。対応ができない場合は次の強制換気での放熱を考えていきます。

・強制換気での計算「強制換気放熱量計算」

強制換気放熱図
強制換気放熱の一例図です。強制換気放熱では、自然換気放熱と違いファン等で強制的に気体を動かし箱内の温度を周辺温度に近づける方法になります。

計算としては以下になります。
強制換気放熱風量

強制換気値

こちらも通常、雰囲気は空気だと思います。その場合は空気の密度は1.154[kg/m3],空気の比熱は1018[J/kg℃]になります。

例えば、残り必要放熱量が(発熱量1000[W]−総放熱量711.12[W])=288.88[W]、箱内目標温度を55[℃]、大気温度40[℃]とすると、
V=288.88/(1.154*1018*(55-40))
=0.0164[m3/min]というように計算ができます。(この値は風量です)

選定する場合はこれに安全率を掛けたそれ以上のファンを見つけてください。
選定するファンがない場合や換気口を広げたりしても熱量が超えてる場合は、周囲温度の制限(使用上の温度制限)を設けたりして設計範囲内の温度に抑える必要があります。

放熱が間に合わないなら「自然換気」「強制換気」での放熱を考える必要がある

このように設計上で事前に熱の問題を解決する必要があります。
目に見えず扱いにくいのですが、やっておかないと後で大変な目に遭ってしまいます。
それぞれ実施したものと比較して設計精度を高めていきましょう。


今まで話した内容よりも様々な角度から熱による設計として書かれている本の参考になります。
電気系設計者に使える熱設計の本になります。